マーケティングには様々な分析という言葉がありますが、何がどの分析で、何のために行うのか、分析を行うことで得られるメリットは何なのか把握していないと、分析自体をおろそかにしてしまいます。
また、分析と言うとどうしても難しい、堅苦しいというイメージを抱くだけでなく、そういうものは大きな企業がやるものと最初から拒絶してしまう方も少なくないでしょう。
しかしながら、分析は企業規模、業種問わず行うべきです。分析を行うことでこれまで見えなかった売り上げ不振の原因、現在を行っているマーケティング施策がうまくいかない原因、今後の対策が明確になるといった大きなメリットを得ることができます。
今回は数ある中の分析の中でもPEST（ペスト）分析について初心者にもわかりやすく解説していきます。
PEST分析とは
まずはPEST（ペスト）分析とはどんな分析なのか、そしてなぜ行うべきかについて把握していきましょう。
PEST分析とは、 マクロ環境の分析を行うためのマーケティングフレームワークです。
マクロ環境とはあなた自身が操作や制御することのできない外部環境を指しています。
実際、あなたの業界のビジネスは何かしら常に世の中全体の変化に大きく影響を受けています。
あなたのビジネスに影響を及ぼす外部環境を理解することで、今後展開するマーケティング戦略を立てるための参考材料とします。
- P：Politics（政治）
- E：Economy（経済）
- S：Society（社会）
- T：Technology（技術）
の4つの環境面からあなたのビジネスに影響を及ぼす外部環境は何かを把握・予測することを目的とした分析、それがPEST分析です。
PEST分析例
少し前の出来事ですが、身の回りのことでわかりやすい、新型コロナウイルスを事例にマクロ環境の変化をPEST分析例として挙げましたので参考にしてください。
P：新型コロナウイルスによる政治的環境
- 緊急事態宣言による休業や営業時間の短縮
- 補正予算案の可決による支援金や給付金
- 特別措置による融資・補助金制度の条件緩和
など。
E：新型コロナウイルスによる経済的環境
- 日本企業のサプライチェーン（材料調達から販売までの一連の流れ）の混乱
- 外出自粛により様々なビジネスの売上減少
- 休業・ リストラよる収入減少
- 巣ごもりによる消費行動の変化
など。
S：新型コロナウイルスによる社会的環境
- オンライン化への抵抗感の薄れ
- 自宅で過ごす快楽の向上
- ZOOMやSkypeによるオンラインでの時間や価値の共有
など。
T：新型コロナウイルスによる技術的環境
- 異なる業界からのビジネス参入
- IT・AIによる技術革新
- サービス提供方法の変化
など。
通常であればあなたの業界内でのPEST分析を行いますが、事例として業界を定めていないため少し広域になっています。
業界を絞れば、もちろんそれぞれの要因、見解も異なりますのであくまでも分析事例として参考にしてください。
このようにあなた自身で操作や維持することができない外部環境（マクロ環境）を分析することがPEST分析です。
PEST分析のコツ
- 仮説思考且つ中長期視点で分析する
- 4つのマクロ環境の観点から関係性を見極める
- 4つのマクロ環境の観点からトレンド性を見極める
3つのPEST分析のコツを用いて、実際にあなたの業界で取り巻く外部環境要因を分析してみましょう。
分析して浮かび上がった外的要因に対して、今後あなたの業界内でのマーケティング戦略に落とし込んでいきます。
関連する分析フレームワーク
業界内部の分析＞＞3C分析と分析方法・手順｜行うべき業界内の事実を知るための分析
他社との競争優位性を見つける分析＞＞競争優位性を見極めるVRIO分析とは
自社の収益に対する課題発見のための分析＞＞ファイブフォース分析とは｜ 自社収益の課題と戦略を立てるための分析
自社の強みや弱みを理解するための分析＞＞SWOT分析とクロスSWOT分析とは？分析手順と基礎戦略までの流れ
