マーケティングジムのお問い合わせに多い、飲食店(特に居酒屋)の方の悩みである「オープンから2時間程閑散としている時間がもったいない」
コンサルティング料を頂いてまでアドバイスするほどのものではないので、ブログにてシェアします。
売上を上げるハッピーアワーの使い方
早い時間帯の集客施策としてもはや定番である「ハッピーアワー」
17時から19時まで「ドリンク半額」や「生ビール、ハイボールが〇〇円」などどの店も取り入れているのではないでしょうか。
それでも来店が少ない理由として「ハッピーアワーの内容が魅力的でない」「ハッピーアワー自体の存在をきちんと客に知らせることができていない」「そもそもその時間帯に来店する立地ではない」など複数の理由が挙げられます。
ハッピーアワーでしっかり集客する方法
早い時間に集客するために行うハッピーアワーの活用。それでも客が少ない原因の1つとして挙げられる「ハッピーアワーの内容が魅力的でない」に該当してしまう場合の対処法として、まずは対象としているサービス、価格を見直すことから始めます。
ハッピーアワーを取り入れている居酒屋の多くは「生ビールやハイボール」を安く提供しているようですね。
利益が残りやすいメニューを選ぶ、これは当たり前のことですが、メニューのチョイスがすでに定番化しているため、見込み客は見慣れておりなかなか響いてくれません。
そこで弊社クライアントでテストし、効果のあったメニューの選び方をシェアしますので参考にしてください。
ハッピーアワーだけに提供するメニューで付加価値を与える
弊社クライアントの居酒屋2店舗では、それぞれハッピーアワーだけに提供するメニューを用意して、ハッピーアワー自体に付加価値を与えて集客に成功しています。
店のウリであるメニューのいくつかを選定し、その時間帯でしか「食べれない」「飲めない」限定メニューを用意し、目掛けて来店する仕組みを作ります。
例として、「肉や焼き鳥の希少部位の提供」「店主がオススメする厳選日本酒」「普段提供していない限定メニュー」などです。
これに、従来の生ビール〇〇やドリンク〇〇のようなサービスを掛け合わせても構いませんが、弊社クライアントの2店舗ともマークダウンのサービス(割引)はすでに提供していません。
割引くことなく、付加価値の提供と、そのサービスを浸透させることに注力し続けて得た結果です。
現在では、更に改良し、1つの居酒屋では曜日ごとにハッピーアワーのメニューを変え、その内容をLINE公式アカウントのみで情報提供、もう1つの店舗ではフェイスブックページのみで情報を提供しています。(それぞれの店で特に強いSNSを使用し、フォローしてもらう価値も高めるため)
ハッピーアワーを浸透させるために行うべきこと
2つめの原因「ハッピーアワー自体の存在をきちんと客に知らせることができていない」について、前項目で触れたように、いくら魅力的なハッピーアワーの企画を練っても客が知らないことには効果は見込めません。
※弊社クライアントの場合はSNSの見直し【ブランディング、投稿内容、SNSの選定など】はすでに行っています。
ハッピーアワーを既存客、見込み客に浸透させるためには。現在知らせることができるツール全てに反映していきます。
「各SNS(Facebookページ、Instagram)」「ホームページ」「メニュー表」「ホールスタッフの接客トーク内」「店頭のブラックボード」全てです。
何か新たなイベントを始める際の失敗例として、これら全てのツールに反映していない場合がよくあります。
心構えとして「あなたは(店)は知っていても、あなたが思っている以上に客は知らない」ということです。
より効果的に浸透させるためにも使用しているSNSの精査(どうしたらもっとフォロワーが増えるか、何をしたらSNSの存在を全客に知ってもらえるかなど)、メニュー、ブラックボードの見直し、ホールスタッフの接客トークの見直しは必須です。
ハッピーアワーが通用しない立地の場合
3つめの原因「そもそもその時間帯に来店する立地ではない」ですが、果たしてこれが理由でしょうか。
もし、来店時間が客層と合っていないのであれば営業時間の見直しなど別の問題として考えるべきですが。
先程挙げたクライアントを異なるもう1社のクライアント(居酒屋)でもこの理由を挙げていましたが、私自身少し納得がいかなかったため、近隣のエリアをリサーチすることにしました。
確かに店を構えている同じ細い通り、通りから直結する路地にはマンションや小さな会社のほか、ラーメン屋、バーなどが点在してます。これだけ見ると早い時間は人が通っていないのかと思いがちですが、それは単なる先入観でした。
また、メニュー表を張り付けたブラックボードを大通り沿いの角に設置していましたが、リサーチ後はそことは正反対の、もう一本内側の通りに設置場所を変更。
変更理由として、飲食店を探している多くの見込み客は大通りを徘徊してのではなく、反対側の一本異なる通りを徘徊して店を探している様子を多く見ました。完全にリサーチミスですね。
例え店舗の設立当初は大通りしか人がいなかったとしても、時が経つにつれて人の流れは変わるものです。
普段仕込みの時間に店に入り、営業後の遅い時間に外にでるのかもしれませんが、営業中のちょっとした時間位も近隣エリアのリサーチは定期的に行いましょう。
このクライアントのハッピーアワーに客が来ない理由の1つは、早い時間帯に店を探している見込み客に対して店の存在を知ってもらえていないことでした。
試しに当時大通りに使っていたブラックボード(この店はブラックボードにポケットを付けてドリンククーポンを設置しています)を一本内側の通りに設置し直したところ、これまでほとんど減っていないなかったクーポンは減り、それを持ってくる客が増えてきたそうです。
早い時間のハッピーアワーとは無縁と思った居酒屋が早い時間帯から集客できた方法
ブラックボードの検証ができたので、今度はハッピーアワーの内容に移ります。
このクライアントで試したのは主に2つのパターンです。1つは「ドリンクのマークダウン(生ビール、ハイボール、日本酒、各焼酎の1銘柄」×「限定メニューの提供」。
2つめは「ハッピーアワー時のみに提供するクラフトビール(マークダウン無し)」×「限定メニュー」です。
後者を試した理由として、同じ細い路地にクラフトビール専門のバー、クラフトビールを打ち出している飲食店のオープン時間がこのクライアントのオープン時間よりも共に3時間遅かったことです。
2通りのハッピーアワーの内容はターゲットが異なるため、どちらを取るかは店主の判断次第ですが、試して収穫はかなりありました。
その後一定期間のテストを終え、1つめのハッピーアワーの内容をアップデートし続け、早い時間帯の集客に成功。クラフトビールはそのままドリンクメニューに加えることになりました。
結論として先入観、リサーチ不足、テスト不足が早い時間帯の客を逃していたんですね。過去には戻れませんが、こうした発見とこれまでになかった物事の考え方、発想の転換など得たものが多くあったので良かったとのことです。
最後に
早い時間帯に集客する施策の1つ「ハッピーアワー」も店に応じた正しい使い方で売上を上げることは不可能ではありません。
もちろん、ハッピーアワーだけでなく様々なツールとの組み合わせによって効果は大きく異なります。
現状の売上にお困りの方は参考にしてみてください。ご不明点、質問はご気軽に「お問い合わせフォーム」よりどうぞ。