マーケティング担当者が1度は聞いたことがある言葉の一つマーケティングミックスの4P分析。
マーケティングミックスは企業規模問わず、たとえ詳しい知識がなかったとしても、知らないうちにでも通っているマーケティング施策の考え方の1つです。
マーケティングミックスには4P、7P、4Cなど複数の考え方がありますが今回はその中でも4Pについて解説していきます。
4Pを行う前に理解しておきたい立案から実行までのプロセス
まず今回の4Pとは何か理解する前に、マーケティング戦略の立案から実行に至るまでの一連のプロセスの把握とマーケティングミックスの位置を理解しておきましょう。
マーケティング戦略の立案から実行までの一連のプロセスは以下の7つのステップから成り立っています。
- マーケティングの環境分析(PEST分析・ファイブフォース分析・3C分析・VRIO分析など)
- 市場機会の発見(SWOT分析)
- 市場の細分化分析(セグメンテーション)
- 市場の絞り込み(ターゲティング)
- 細分化して絞り込んだ市場内での自社の立ち位置(ポジショニング)
- マーケティングミックス
- マーケティング戦略の実行・ 評価・検証
つまり、より効果的なマーケティング戦略を練るにはまず環境分析を行い、外部内部における自社への影響を把握し、その後自社の強みや弱みを把握した上で業界内の市場を細分化し、その中から自社が狙う市場を絞り込み、自社の立ち位置を決めていきます。
>>PEST分析とは?初心者でも行うべき外部環境を理解するための分析
>>ファイブフォース分析とは| 自社収益の課題と戦略を立てるための分析
>>3C分析と分析方法・手順|行うべき業界内の事実を知るための分析
ここまでのステップを行なった上で、マーケティングミックスを考える段階に至ります。
すでに環境分析や基本戦略については別記事にて解説していますので、まだ理解できていない方は、合わせて目を通しておくことをお勧めします。
それでは、マーケティング戦略における6つのステップを理解した上で、これよりマーケティングミックスにおける4Pについて解説していきます。
4Pとは?
4Pとはプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの4つの観点の頭文字からなる、自社サービス購入や販売促進のための4つの要素です。
STP戦略で定めたターゲットに対して、それぞれ整合性がとれているかも整理していきます。
そもそも4Pはアメリカの経済学者である「ジェローム・マッカーシー」が提唱したマーケティングミックスのフレームワークの1つです。
4Pにおける4つ要素で以下の目的を果たすために行います。
- 商品戦略(Product)の目的:ターゲットのニーズに応じた商品を開発する
- 価格戦略(Price)の目的:ターゲットに適切な価格を提示する
- 流通戦略(Place)の目的:ターゲットにサービスを届けるための適切な流通網を整備する
- プロモーション戦略(Promotion)の目的:ターゲットに最も効果的なプロモーションを展開する
4Pの概要がわかったところでそれぞれの様子について簡単に解説していきましょう。
商品戦略(Product:製品)
プロダクト、つまり提供するサービスや商品のことを指しています。
製品には、製品そのものだけでなく品質やブランド名、デザイン、パッケージ、サービス、保証などを含めています
そもそもの観点として「製品を通じて提供できるメリットは何か」。
さらには「顧客がその製品を利用することで得られるメリット(ベネフィット)は何か」に重点を置いて考えていきます。
また「製品を通じて顧客のニーズをどう満たすか」といった課題発見の観点もあります。
これらの観点を踏まえた上で、商品戦略には以下のような手法があります。
商品戦略方法①商品コンセプトを作る
まず商品コンセプトとは何か、これを機に改めて理解することから始めましょう。
商品コンセプトとは「企業側の実体そのもの」+「消費者側の概念」を組み合わせたものです。
数多く存在する消費者側の概念と企業側の実態を結びつけたものが商品コンセプトです。
勘違いしている方の多くは、企業側の都合や観点だけでコンセプトを設定しており、サービスを購入する側である消費者側の概念を理解していない場合が多く見られますのでご注意ください。
では、商品コンセプトの作り方の例を見てみましょう。
商品コンセプトの事例
三菱電機からリリースされている三菱録画テレビREALは「見て、触れて、実感!三菱録画テレビが”ある”生活」をキャッチコピーとし、製品コンセプトに「本当の使いやすさを求めてたどりつきました」と掲げています。
ひと昔前までのテレビでは、テレビ、ハードディスク、 ブルーレイなどテレビをより快適に利用するための商品をいくつか組み合わせる必要がありました。
テレビを購入する消費者側のテレビ、ハードディスク、ブルーレイなど様々な商品を購入することで「テレビを見る」という生活で快楽を得ていました。
テレビの機能だけでは物足りない、ハードディスクを追加してより多くの番組を録画する、ブルーレイレコーダーを付け、テレビでレンタル DVD などを視聴するというように複数の商品をテレビの拡張機能として購入して楽しむことが当たり前という概念を抱いていました。
しかし、この当たり前を得るためには、テレビの他にハードディスクやブルーレイなどをつけることで、少しながらでもテレビ単体よりスペースを必要とする、操作するリモコンが増えるといった煩わしさも一緒に感じなければいけません。
これらに対し、 三菱電機は
- テレビとレコーダーを1つにしテレビ周りの環境をスッキリさせることができる
- 録画も再生もダビングもリモコンひとつで使いやすい
といった特徴を持ち、「これまで抱いていた消費者の概念を覆し、悩みを解消する方法」=「三菱録画テレビREAL」 としたのです。
商品コンセプトが先ほど紹介した「本当の使いやすさを求めてたどりつきました」となります。
私達企業側の製品そのものは1つですが、消費者側の概念は様々存在しているため、概念の中からその一部を切り取って、実体である製品に結びつける、それが商品コンセプトであり、マーケターの力量が試されます。
商品やサービス自体が良いものの、思うように売れない原因にはこのような商品コンセプトの良し悪しも左右していることを肝に銘じるべきです。
逆に言えば、たとえ業界内でナンバーワンでないとしても、商品コンセプト次第では、それ以上の評価を得ることも不可能ではないということです。
商品戦略方法②ペルソナを設定
商品戦略方法には、これをすればといった手法があるわけではなく、いくつかの観点から導き出していくものです。
この戦略方法の2つめとして挙げる「ペルソナ設定」も手法の1つとして挙げられます。
ペルソナとはターゲットとして設定した内容をさらに深く掘り下げ、 あたかも実在している人物が存在するように細かく設定していく方法です。
- 名前
- 年齢
- 職業
- 役職
- 年収
- 移住地
- 家族構成
- ライフスタイル
- 趣味
- 思考
ペルソナを設定することで今回のような製品戦略はもちろん、プロジェクトに関わる全スタッフがターゲットをより明確にイメージできるメリットもあります。
ターゲット像を明確にイメージ出来ることにより、キャッチコピーやセールスコピー、デザインなどのクリエイティブなどマーケティング戦略の様々な面で役立ちます。
商品戦略方法③ユーザーイノベーション
企業とユーザーの双方から共創するする価値を通じて商品コンセプトを生み出す考え方がユーザーイノベーションと言います。
ユーザーイノベーションはそもそもアメリカ、マサチューセッツ工科大学のエリック・フォン・ヒッペル教授が提唱するイノベーションの発生原理です。
従来はイノベーションは企業の研究所や一部の発明家などによって生み出されているとされていたが、ヒッペルはむしろ使い手であるユーザーが、目的を達成するためにイノベーションを起こすことの方が多く発生しているという説を唱えている。
1970年代に提唱されたユーザーイノベーション、ユーザー自身が商品開発に実際に関わる場合もあれば、近年ではインターネット技術の進歩に伴い、間接的に関わるイノベーションの民主化が進んでいます。
これまでの企業の製品やサービス開発が大きく変わり、多様なイノベーションが一気に広がろうとしている他、ユーザーの知恵や知識ををうまく取り込むことで、企業は少ない費用で魅力的な製品を開発できるようになりつつあります。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、あなたも知っている大企業もこのユーザーイノベーションを取り入れています。
ユーザーイノベーションの代表例はGoogle
代表的なユーザーイノベーションといえば、やはり「Google」でしょう。
Googleは、検索エンジン「Google」やYouTubeを商品価値として創り出し、私たちユーザーが利用価値としてコンテンツ提供しています。
また、Googleは無料使える様々なツールをすることでGoogleユーザーを増やし、ユーザーが増えることで利用価値であるコンテンツが増える。
ユーザーが増えることで、全体の閲覧数が増えるため、ユーザーの中でも広告主側がWEB広告を出稿する、その広告費がGoogleの収益となります。
より優れた商品コンセプトを作るには商品価値、利用価値の双方から考えることをおすすめします。
価格戦略(Price:価格)
続いて価格戦略とは、ターゲットにいくらでサービスを届けるか、高価格や低価格で攻めるかを設定する戦略です。
商品コンセプトと同様に企業の利益に大きく影響する価格設定。価格戦略には、以下のような観点から設定していきます。
- コスト
- 相場
- ブランディング
- マーケティング
それぞれ順を追って解説していきます。
コストからの価格戦略
当然ながらコストを上回なければ利益が出ないのはもちろんですが、かといって市場の相場よりも高すぎれば商品が売れません。
これらコストと市場の相場の双方を両立させるために、損益分岐点と消費者の価格相場の両方を理解しておかなければいけません。
損益分岐点を理解する、つまりいくらでどれくらい売れば利益が出るかを把握すことです。
把握するためにはまず変動費と固定費を理解することから始めます。
経営者なら当たり前のことですが、価格戦略をより分かりやすくするため、解説します。
変動費とは売上(生産量や販売量)に比例して増減する経費で、原材料費や仕入れ価格、販売手数料などがこれにあたります。
一方、固定費とは売上に関わらずかかる経費で、人件費や事務所などの家賃、水道光熱費などがこれにあたります。
ビジネスの基本的な構造として売上から変動費を引いたいわゆる粗利益を積み重ねていき、固定費を上回ることで会社に利益が残る仕組みです。
1万円を販売価格とした商品があり、変動費が5千円とした場合、商品1点あたりの粗利益は5千円となります。
そして月間の固定費が400万円だとしたら、800点売れてやっと損益分岐点に到達します。もちろんそれを下回れば赤字、上回れば黒字概算になります。
他社よりもっと安い価格設定を行うことでより多く販売しようとしたら、10%下げた場合1000点(125%)売れた時点で損益分岐点に到達、20%下げた場合1333点以上(166.7%)売らなければ赤字になることになります。
安易な価格設定は販売目標を引き上げるだけでなく、例に挙げた本来の販売価格の時よりもより多くの実績を問われるのはいうまでもありません。
このように、コストから販売価格を設定する方法をコストプラス価格設定法と呼びます。
相場からの価格戦略
相場からの価格戦略とは、市場の相場価格に応じて設定する価格戦略を指します。
コストプラス価格設定法は自社コストの観点から定めた価格戦略に対して、市場の相場から設定する価格戦略は消費者目線です。
アンケートを用いて基本4つの項目で消費者が感じる市場の相場価格を把握していきます。
例として商品価格を1万円とした場合、「高すぎる」「やや高い」「やや安い」「安すぎて不安」と感じる消費者は全体の何%の割合を占めるかなどが挙げられます。
こうして消費者が感じる市場の相場価格を把握する分析をPSM分析とも呼びます。
このPS分析のメリットとして以下が挙げられます。
- 市場の上限価格の相場観を把握できる
- 市場の下限価格の相場観を把握できる
- 9000円なら、8500円ならと価格設定によっての割合を把握できる など
このように市場価格の相場からの観点で行う価格戦略もあります。
マーケティングの観点による価格戦略
続いてはマーケティングの観点から設定する価格戦略について解説していきます。
コストや相場の観点からの価格戦略が理解できたら、今度は戦略の観点で考えていきます。
マーケティングの観点から考える価格戦略のポイント
ここでのポイントは「利益をどのタイミングで出すか」です。
- 最初は市場への浸透スピードを重視して低価格で販売して損益分岐点まで耐える(ペネトレーションプライス戦略)
- 早期段階でコストを回収し、その後徐々に価格を下げていく(スキミングプライス戦略)
ペネトレーションプライス戦略とは商品展開時、コストと同額もしくはそれを下回るような低価格で販売して市場への浸透スピードを早めるとともに、圧倒的な価格差で競合他社を引き離して自社シェアを増やす価格戦略です。
ペネトレーションプライス戦略を取りれる条件
但し、このペネトレーションプライス戦略の場合、以下の条件が揃って上で初めて実行できる戦略です。
- 生産する工場の生産率を高め、商品1点あたりのコストを下げることができること。もしくは大量仕入れでによって原材料や仕入れ価格を下げることができること。
- 原価を回収するまでの資金力があること。
- 変動費率が低い商品であること。
まず1つめに注目すべきはコスト面。
生産コストを下げることができるもしくは原材料や仕入れ価格を下げることができれば、その分商品1点あたりのコストが下がるため、原価や原価を下回る価格で販売しても損益分岐点に早く到達することができるといった考え方です。
2つめは、資金力。
たとえ原価や原価を下回る価格で販売できても、損益分岐点に到達するまでは利益は全くでないため、それに耐えることができる資金力がないと実行することができません。
3つめは、1点あたりの変動費率が低ければ低いほど1点あたりのコストは抑えることができるため、損益分岐点到達後の販売において、有利になるという考え方です。
例としてアプリやソフトウエアなどがあります。
一方、スキミングプライス戦略とは商品導入の早期段階から高い利益率で販売して早期段階で開発費を回収するという戦略を指します。
また、スキミングプライス戦略を用いた価格戦略の場合、あとから競合他社が自社よりも安い販売価格で参入してきたとしても、すでに開発費を回収できている段階、回収目前であれば競合他社の価格戦略に対抗することも可能です。
ブランディングの観点による価格戦略
ブランディングの観点による価格戦略とは、ブランド力を高めることでプレミアム価格での販売を行った際、消費者に商品価値の期待を感じさせる戦略です。
もちろん、ブランディング戦略が成り立ってこその価格戦略のため、
- ターゲットの設定
- ブランドアイデンティティの設定
- ブランディングコードとスタイルの設定
- クリエイティブの作成とメディアの設定
とブランディングの手順を追ったうえで、戦略を練ることが先決です。
流通戦略(Place:流通・チャネル)
流通戦略とは、商品やサービスを「どこで」販売するかという戦略を指します。
また、流通とは商品と消費者を結ぶ経路を表しています。
流通チャネルを整えることができれば、大きな強みとなるメリットを手に入れることができますが、その反面、構築した後に変更が容易でないというデメリットもあります。
またこの流通戦略には大きく5つの戦略を立てることができ、それぞれ特徴を持っています。
①広範囲の流通を持つチャネル戦略
様々な場所で販売することができる流通戦略。
言い方を変えれば消費者にとって入手が容易なため、販売数を一気に伸ばすことができるメリットがあります。
その反面、どこでいくらで販売されているか把握することが困難となるデメリットもあります。
ブランド力が低下することも考えられるため、薄利多売でも可能な場合に適した流通戦略です。
②選択し特定したチャネル戦略
販売条件や展開方法、ブランディングの遵守など一定の条件をつけ、その条件を守り販売できる場所にのみ販売を許可する戦略です。
条件を守らなければ販売店はその商品を取り扱うことができないため、ブランディング力やブランドイメージを維持できるメリットがあります。
特定してチャネルのため、広範囲なチャネルよりは販売数を爆発的に伸ばすのは容易ではないといったデメリットもあります。
ブランディング戦略を徹底している企業に向いている流通戦略です。
③独占販売権チャネル戦略
いわゆるディーラーや販売代理店、特約店などが販売するチャネル戦略です。
販売管理が容易であるメリットがありますが、インターネットの普及により、そのメーカーのブランドしか買えない特約店の機能は年々低下しています。
また、販売店の販売インセンティブなどのコストもかかるため、維持コストが高くなるデメリットも生じます。
④チャネルミックス戦略
チャネルミックス戦略とは、柔軟に流通チャネルを使い分け、消費者の利便性を考慮した流通戦略です。
例えば化粧品のチャネルミックスの場合、「自社販売」「スーパー・ドラッグストア」「コンビニ」などがあります。
チャネルミックスのメリットとして、各チャネルごとに販売する内容を変え、自社によって優位な状態を築くことができます。
コンビニなどいつでも消費者が買えるチャネルで、自社の本商品の使いきりタイプやミニサイズタイプを展開し、とりあえず需要を受けたり、認知拡大のために利用することができます。
サイズの割に割高な価格設定を行うことで、本商品やお得サイズは自社で購入してもらう仕組みを構築することも可能です。
また、自社販売を強化することで、アップセルやクロスセル、サブスクリプションなど自社の販売戦略に顧客を囲い込むこともできます。
⑤新規チャネル開拓戦略
その名の通り新たにチャネルを開拓する戦略です。
開拓には時間とコストはかかりますが、機能し始めるとチャネルを独占できる大きなメリットを得ることができます。
ターゲットをOLにし、ネスカフェアンバサダーを無料で募り、独自のチャネルを開拓した事例です。
プロモーション戦略(Promotion)
プロモーション戦略とは、ターゲットに対してサービスの認知、機能、価値を効果的に伝え、ニーズを創出させるための取り組み全般を指します。
プロモーションには、以下の5つが挙げられます。
- コンテンツマーケティング
- ダイレクトレスポンスマーケティング
- マス広告
- PR
- セールスプロモーション
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに対して有益なコンテンツ(情報)を制作し、発信することで見込み客のニーズやウォンツの向上を図り、あなたのサービスや商品の購買に至り、更にファンとなるまでの一連の流れを作るためのマーケティングを指します。
あなたも行っているであろうSNSのマーケティングもここに位置します。
更に簡単に説明すると「ユーザーが知りたい、知ることができてよかった」と思える情報を発信し続け、次第に情報と関連するあなたのサービスや商品を購入してもらうために行うものです。
コンテンツマーケティング自体、広義なためコンテンツマーケティングの中に更に見込み客の育成を意味するリードナーチャリングやブログによるマーケティングなども含まれます。
参照:コンテンツマーケティングとは?初心者でも簡単にわかる説明と手順
ダイレクトレスポンスマーケティング
ダイレクトレスポンスマーケティングとは、広告や WEBサイトなどから情報を発信し、それらに対して、直接反応(お問い合わせや資料請求、ダウンロード)したユーザーに、サービスの販売を行うマーケティング手法です。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、企業の認知拡大の目的ではなく、レスポンスを促すセールスコピーが含まれているのが特徴です。
また、ターゲットを絞り込んだ状態で情報を発信するため、将来自社のサービスを購入する可能性が高い見込み客を囲い込むことができるため、効率的なマーケティング手法とも言えます。
マス広告
マス広告とはテレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告の4つの媒体を指しています。
それぞれの媒体に広い範囲でアプローチできるプロモーション戦略の1つです。
特にテレビCMでは高い広告費ではありますが、ブランドの認知拡大効果が高いのも特徴です。
サービスによっては、シニア層など高年齢層や、特定のターゲット層に向いている場合も多いため、企業が狙うターゲットに応じて使い分けます。
PR
PR(パブリック・リレーションズ)とは、公衆との良い関係作りのためのあらゆる施策を指しており、広報や宣伝よりも広い範囲で用いられます。
また、PRの中でも近年で言えばインフルエンサーを起用して、ニーズの顕在化を図るようなPR方法を戦略PRと言います。
ちなみにニーズの顕在化とは、これまで潜んでいたニーズ、漠然としていたニーズからはっきりとニーズが表面に表れる状態にすることを指しています。
セールスプロモーション
セールスプロモーションとは、消費者の購買意欲を向上させるために行う販売活動全般を指してます。
サービスの魅力を伝えてウォンツを刺激しながら、ニーズを高めて購入に繋げる販売促進活動とも言えます。
また、セールスプロモーションの例として、キャンペーン(値引きやノベルティの進呈)、イベント(特別な体験)などが挙げられます。
4Pの観点から戦略に落とし込むマーケティングミックス
商品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略と4つの観点から具体的なマーケティング施策に落とし込む、これがマーケティングミックスにおける4Pの基礎的な考え方です。
具体的な名前を知らなかっただけで、すでに自社でも行っているものが多いと思います。
- マーケティングの環境分析(PEST分析・ファイブフォース分析・3C分析・VRIO分析など)
- 市場機会の発見(SWOT分析)
- 市場の細分化分析(セグメンテーション)
- 市場の絞り込み(ターゲティング)
- 細分化して絞り込んだ市場内での自社の立ち位置(ポジショニング)
- マーケティングミックス
- マーケティング戦略の実行・ 評価・検証
今記事の冒頭でも解説しましたが、マーティングミックスは上記の赤文字の位置です。
闇雲にマーケティング施策を行うのではなく、しっかりと分析して検討したうえで、マーケティングミックス、そして各マーケティング戦略に落とし込んでいくことが大切です。
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