企業のみならず、個人事業主、いち個人に至るまで、ビジネスを営むうえで欠かせないマーケティング。
一言でマーケティングと言えど、領域は広いため、初心者の方にとってはイマイチわかりにくい部分もあることでしょう。
今回はマーケティング初心者のあなたに向けて、マーケティングとは何か、意味や定義をできる限りわかりやすく解説していきます。
マーケティングとは
ここ日本では、1990年に公益社団法人日本マーケティング協会は以下と定義しています。
マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。
1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。
これをシンプルにまとめると「売れる仕組み作り」というとわかりやすいでしょうか。
また、2024年、同公益社団法人日本マーケティング協会はマーケティングの定義を以下に刷新しています。
(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
注 1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。 注 2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。 注 3) 構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。以上、出典:公益社団法人日本マーケティング協会「34年振りにマーケティングの定義を刷新」
2024年より前と現在での日本マーケティング協会におけるマーケティングの定義の違いを以下にまとめていますので、ご参考ください。
これまでのマーケティングの定義 | これからのマーケティングの定義 |
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以前と比較して、マーケティングとは、製品やサービス提供側(企業側)の市場創造活動(売れる仕組み作り)といった意味から、企業、顧客、社会が共同で行う「価値の創造」により、ステークスホルダーとの関係性を作り上げるという意味に変化していったことがわかりますね。
※ステークスホルダーとは、顧客、株主、経営者、従業員、取引先などの利害関係者を意味します。
私たちMarketing Gymのマーケティング
私たちMarketing Gymも以前はマーケティングの定義を「顧客との信頼関係を築きながらセールスマンの目の前に顧客を連れてくるための活動と仕組み作り」としていました。
また、マーケティング=【セールスを不要にするもの】としていました。
しかし、近年の社会的変化や顧客の消費者行動の変化に伴い、上記に加えて顧客はじめ、利害関係にあるステークスホルダー(株主や投資家、従業員、取引先など)や社会と共に価値を作り上げていくものとしています。
関わる方々の多くを巻き込み、共に作り上げていくイメージです。
マーケティングとはただ売ることとは少し違う
私たちMarketing Gymでは、マーケティングをただ売るだけの仕組み作りとは考えていません。
確かに売る仕組みを作ったり、プロセスは大切です。
しかし、そもそもを考えるとわかりやすいのですが、
「ターゲットとする顧客が価値を見出せるであろうプロダクト(製品やサービス)を作り、そのプロダクトに対して価値を見出した顧客が購入する」
この流れが合致して初めてプロダクト提供側(企業や個人)に売り上げや利益が生まれるわけです。
製品やサービスによっては、もちろん繰り返し購入することも多々ありますので、こうした積み重ねにより、継続的な利益が生まれることになります。
売るためにプロダクト提供側がマーケティングを通じてプロダクトを顧客に購入してもらうというこちら側の一方的な行動ではなく、顧客自身が価値を感じるから購入する(購入し続ける)これが本来のマーケティングだと私たちは思っています。
そのためにもまずは自社を取り巻く環境、競合、顧客のことを分析を通じて知らなければいけません。
分析によって得た情報を元に、自社はこれからどう戦っていくべきか戦略を練り、戦術に落とし込んでいかなければいけません。
また、ターゲットとする顧客の潜在ニーズ、顕在ニーズや顧客インサイト(=消費者インサイト)を深く知り、ニーズに対しての解決手段=自社のプロダクトという方程式を完成させなければいけません。
更には、プロダクトだけでなく、そのブランド、企業自体をまずは知ってもらうために認知拡大を図らなければいけませんし、顧客に抱いてもらうブランドイメージを持っておかなければいけません。(ブランディング)
まだまだ行うべきことはたくさんありますが、こうした活動全体=マーケティングということです。
上記画像はマーケティングの全体像を簡単に表したものです。
便宜上これでも簡略化していますが、これらの活動を行わずして、ただSNSで集客する、WEB広告で集客するといった部分的な施策、安易な考えだけで経営を行ってもうまくいかないのは当然です。
※簡略化しても細かくなり見にくいと思いますのでPDFにて必要な方は、Marketing GymのLINE公式アカウントで「マーケティング全体像」と返信頂くことで無料配布しています。
マーケティングとセールスの違い
マーケティング初心者の方がよく混同しがちなマーケティングとセールス。
わかりやすく説明すれば、マーケティングはセールスよりも一つ手前までの活動です。
価値を作り、利益を継続させ、利益を再投資し、また価値を作る、、、とサイクル状とイメージ頂けるとわかりやすいでしょうか。
- 顧客の顕在ニーズ、潜在ニーズ、顧客インサイトを探求して理解し、顧客が価値を見出せるプロダクト(製品やサービス)を作る
- 価値を高め続けて継続的な利益を生み出す
- 獲得した利益を再投資して新たな価値作りを続ける
一方、セールスはマーケティングを通じて顧客が認知、興味や関心を持った状態でプロダクトを購入する場所(店頭やECサイト)へ訪れた際、購入して頂くために行うのがセールスです。
多くは、マーケティングで獲得したリード(見込み客)に対してプロダクトを提案し、取引(購入)を成立させる役割を担っています。
また、リード並びに顧客との距離が最も近いため、更に信頼関係を育むことも可能です。
その他、アップセルやクロスセルを通じて更なる利益創出を目指します。
マーケティングと集客の違い
同じく、マーケティング初心者がよく混同しがちなのが「マーケティングと集客」。
マーケティングと集客の位置取りとして、マーケティング活動の中に集客が含まれている状態をイメージしてください。
集客はあくまでもマーケティングの施策のうちの1つです。
マーケティングは分析や戦略の選定、戦術に落とし込み、実行、検証していきます。集客はその中で様々な方法を使ってプロダクトに魅了された見込み客を集めることというとわかりやすいでしょうか。
集客は単に人を集めるの行動を指すのではなく、あなたのプロダクト自体、ブランド、企業に魅了された見込み客を集めることです。
多くの人を集めることができても、あなたのプロダクトに全く興味を示さないのであればビジネスとして成立しません。
小手先の集客方法にこだわる前にまずは一歩引いて全体を見てみよう
インターネットの利用が当たり前となっている現代社会において、部分、部分の知識を収集して自身のビジネスに取り入れることは容易です。
しかし、あくまでも部分的な知識のインプットでは、マーケティングの全体像を理解している場合と比較してもその差は大きく、多くの労力を費やしても、無駄になることも多々あります。
先述したように、ただ人を集めることに執着するのではなく、まずは一歩引いてあなたのビジネスの全体を見てみてください。
本来行うべきことを飛ばし、小手先の施策のみを一生懸命頑張っていませんか?
また、うまく機能していない状態のまま多くの労力を費やしていませんか?
あなたのビジネスがうまくいく前に、あなた自身が心身共に疲弊してしまう前に、もし何から行うべきかわからなければ、遠慮なくマーケティングジムにお問い合わせください。