以前は数回サロンに通ってくれていたのに、いつの間にか来なくなったお客様。
一人増え、また一人増え・・・。
顧客が増えては減っての繰り返しで、売上の変動が激しい方、減る一方でそれに伴い売上もどんどん下がっているという方はいらっしゃいませんか?
今回は、以前は複数回通ってくれていたにも関わらず、いつのまにかサロンへの来店頻度が減り、来なくなったお客様が再び来店してもらう方法「失客・休眠客の呼び戻し集客方法」について解説していきます。
失客・休眠客とはどんな客?とその違いの定義
まずは本記事で挙げる失客、休眠客とはどんな客なのかを理解したうえで、具体的な呼び戻し方法について学んでいきましょう。
失客とは
失客とは、これまで何度かあなたのサービスを購入していたにも関わらず、何らかの理由で来店から遠のき、いまでは完全に来なくなった客とその層を指します。
最終来店日(最終購入日)からかなり時間が経過しており、あなたのサービスの存在の記憶すらもうなってしまっている状態の客とその層です。
また、あなたのサービスの存在の有無は別として、他社やそれに代わる代替で満足しており、あなたのサービスの必要性が無くなってしまっている可能性も高いと考えられます。
休眠客とは
一方、休眠客とは、失客と同じくこれまで何度かあなたのサービスを購入しているが、以前より来店頻度が減ったり、一時的に来店がなくなった客とその層を指します。
失客と比べ、最終来店日(最終購入日)からの経過日数がまだ浅く、あなたのサービスの存在やあなたとの信頼関係、記憶がまだある状態の客とその層です。
失客と休眠客の違い(基準の決め方)
失客と休眠客の境目の判断はむずかしいところですが、あなたのサービスを購入する平均頻度から基準を定めると良いでしょう。
その客の平均来店頻度の3サイクルを基準する、もしくは全体の平均来店頻度の3サイクルを基準とします。
以下、例を表にしましたので、ご参考ください。
休眠客 | 失客 |
ある客の平均来店頻度(1/1.5ヶ月) | |
最終来店日から135日未満 | 最終来店日から135日以上経過 |
全体平均来店頻度(1/1ヶ月) | |
最終来店日から90日未満 | 最終来店日から90日以上経過 |
この様に、全体の最終来店日(購入日)からまだ浅い、ここでは90日未満で一時的に来なくなっており、何かのきっかけでまた来店する(購入する)可能性が高い客を休眠客とし、90日以上経過している客を失客と区別します。
また、上記表の様に、「ある客の平均来店頻度」と「全体の平均来店頻度」で分けています。
今回の様に以前は複数回購入した経験があり、何らかの理由で来店から遠のいたという、あなたからすれば何とか再来店(再購入)を開始して欲しいお客様ですので、よりパーソナライズしたほうが賢明です。
また、パーソナライズした方が効果は格段に上がります。
失客・休眠客に再び来店・購入してもらう準備から実行までの手順
失客と休眠客の定義、違いを理解したうえで、彼ら(彼女ら)が再び来店、購入してもらうため対策手順に移ります。
①顧客リストを用いて失客・休眠客にセグメントする(仕分けする)
まず最初に顧客リストを用いて、先述したような基準をもとに失客と休眠客をセグメントしていきます。
顧客管理しているツールや、Googleスプレッドシート(Excel)を用いてリストを抽出していきましょう。
②セグメント後にグループ化する
失客と休眠客をセグメントしたら、それらを更に来店頻度を基準にいくつかのグループにまとめます。
より細かいグループにするほど手間はかかりますが、再来店率アップに繋がります。(これまでのクライアント様で検証、実証済み)
グループ化の際、その客との普段のコニュニケーション手段にも注意しましょう。
グループ化の主な理由は以下の4点です。
- それぞれ異なる来店頻度のうち比較的近い客層をまとめることでの効率化するため
- 近い属性でまとめることでよりパーソナライズした対策が可能なため
- 来店から遠のく期間がまだ浅い方から優先して集客した方が再来店率が高いため
- 再来店する休眠客が増えることであなたの売上を早期伸ばせるため
③呼び戻し対象客の優先順位を決めてスケジューリング
グループ化を終えたら、呼び戻し対象客の優先順位に並び替え、対策を行うスケジュールを決めていきます。
説明不要かと思いますが、①休眠客②失客の順となります。
日々の経営や業務などもあると思いますが、これも売上のためです。
日々の必須業務に加えて、1人でも多くの休眠客、失客に再来店(再購入)してもらえるように努めましょう。
④スケジュールに沿って優先順に呼び戻し対策の実行
いよいよ実際に失客、休眠客への呼び戻し対策を実行していきます。
来店・購入がなくなった失客・休眠客の集客方法(呼び戻し対策)
マーケティングジムが推奨する失客、休眠客に再来店、再購入してもらう集客方法は「再アプローチDM」です。
再アプローチ手段はそのお客様とコニュニケーションを取っていたツールを用います。
予約や問い合わせ、退店、購入後とったコニュニケーション手段に応じてアプローチ手段を使い分けるのがポイントです。
- メールやLINE、SNSのダイレクトメッセージ
- ハガキや封書(普段アナログな方向け)
- 電話
そのお客様が普段使い慣れている手段に合わせることで、今後行う再アプローチDMの反応率を高めることを目的としています。
※電話はそのお客様の時間を奪うことになるため、あまりお勧めしません・・・。
失客・休眠客の再来店DM反応率を上げるために押さえておくべき3つのポイント
そのお客様とのアプローチ手段をすり合わせたうえでDMを送る際に押さえておくべきポイントをいくつか紹介します。
①利用しないと損をするようなビッグオファー(豪華特典)を期限付きで提供する
今回の最大の目的は、あなたから遠のいてしまった失客、休眠客に再来店、再購入してもらうことです。
ただでさえあなたから遠のいてしまっている状態ですので、ちまちまと中途半端な特典を提供するので、余計に振り向いてくれません。
利用しないと損をするような(魅力的な)ビッグオファー(豪華特典)を提供し、「来店や購入のきっかけ」を与えます。
また、期限のないオファーはたとえ魅力的なオファーであっても、残念ながら無意味です。
必ず期限を設け、「いつまでに来店・購入しなきゃ」という意識を同時に与えましょう。
②ファーストビューにフックを付ける
まずは、あなたが願いを込めて出したDMを読んでくれないことには何も始まりません。
ファーストビューに、注目するためのフック(仕掛け)を付けておきましょう。
例)メールのタイトル LINEやダイレクトメッセージの最上部 ハガキや封書の目立つところ
③最下部にコールトゥアクションを提示する
コールトゥアクション、つまりあなたが実際して欲しいお客様の行動を実際に言葉に示すことです。
言葉を目にすることで、その行動へと誘導し、DMの反応率を高める役割を持っています。
この際、①でも挙げた「期限」を必ず組み込んだコールトゥアクションにすることをお忘れなく。
ちなみに、弊社クライアント様のDMをベースに、足りなかったコールトゥアクションを加えただけで、試したところ、反応率がかなり上がった実績複数あり。(まあ、私たちマーケター的には必須のことですが・・・)
最重要 失客・休眠客への再来店DMの反応率を劇的に上げるためのコツ
まずは結論から「1回ではなく3回送る3ステップDM」が最重要ポイントです。
- まず1回目DMを送付
- 2回目は今回のオファー(特典)イベントを見たかというコメントを加えて送付
- 3回目は今回のオファーはいよいよ〇〇までという期限をあらためて強調して送付
短期間に複数回接触を繰り返すことで、より高い反応をえることができます。
3ステップDMとその手順
3ステップDM(メール/レター)とは、最終的に特典を与えて来店するきっかけを作る際、同じ内容のレター(メール)を3回送付する方法です。
ただ3回送るのではなく、特典内容が同じでも「お知らせ」「確認」「通知」の3段階に分けることが大切です。
STEP.1 お知らせ
まずはその商品を見込客に対してお知らせします。もちろん、通常のセールスレターと同様に、その商品が顧客にとってどのような価値を持ち、それを○月○日までに購入すればこんなに良い特典ももらえて、さらには価格もこんなに安いというような流れは必要です。
もちろん、その商品の良さや、特典や価格にお得さを感じてこのタイミングで購入する人もいるでしょう。それは手紙の内容の良し悪しで確立は増減します。
STEP.2 お知らせが届いたかの確認
STEP1で購入のなかった見込客に対して、STEP1のお知らせが届いたかの確認を送ります。
特典付の期日までに購入がなかったから読んでもらえなかったのか、それとも忙しくて読む暇がなかったのか…など顧客への気遣いを見せながら、『でも顧客にとって良い提案だからもう一度期日を延長して』という理由をつけて送り直します。
それ以下の内容はお知らせのセールスレターの内容を転載します。
この時点では、『よく読んだらお得やな…』『え?確かにお得かも…』『確かに俺にとって必要かもな?』的な反応を示す人が購入します。先日の私がそうだったように。
ここで購入する人は実際お知らせをしっかり読んでいなかったり、全く読んでいなかったのでSTEP1の時点でのこのオファーの素晴らしさに気付いていなかったというケースが大半かと思います。
STEP.3 最終通告
まずはメールの題名や封書であれば封筒に『最後のご案内』など緊急性や必読性を高める工夫を行います。
そして、STEP2の手紙が届いたかどうかの確認をし、もし見ていたのに買っていなかったらビックリしている旨を伝えます。
(※何故ならこんなにあなたにとって魅力的なオファーなのに購入しない理由が見当たらないから)
そして、最終の期日とそれ以後はこんなに魅力的なオファーは一切できない旨を伝えます。(もちろん、本当にやってはいけません。)
ここでも、STEP1、STEP2でしっかりと読んでいなかった人や全く読んでいなかった人が読んで購入に至る場合があります。
そして、1通目から読んでいた人は焦りが生じます。『自分はとんでもないチャンスを逃そうとしているのではないか…。』という心持ちになるのです。
そういった焦りが行動を促進させ、購入に至るケースは多々あります。
マーケティングジムやクライアント様でも過去に何度もテストしましたが、1回のみ送付、2回送付、3回送付では3回送付した方が、反応率が上がった実績が多数あります。
3ステップDMのテスト結果
ちなみに、マーケティングジムとそのクライアント様ご協力のもとで行ったテスト検証で得られた、回数ごとの属性の傾向は以下です。
1回目で反応 | 比較的最終来店からまだ浅い期間の方 以前からコニュニケーションがよく取れていた方 以前の顧客ランクが高い方 |
2回目で反応 | 来店・購入頻度が平均よりも低い方 客単価が平均の方 以前から特典に目がない方 日常が多忙で以前からメールなどの返信が遅れ気味の方 |
3回目で反応 | 以前からメールなどの返答が遅い方・ない方 以前から急な来店、急なキャンセルの行動が多い方 以前の顧客ランクが低い方 |
今回は失客、休眠客の再来店を促すDM集客として紹介していますが、この方法はイベント集客などでもかなり使えますので、積極的に活用してくださいね。
失客・休眠客がDMに反応して来店・購入したら
あなたが行った施策に反応し、来店、購入したら、あなたが行っているリピートする仕組みに乗せましょう。
元優良客、リピート客と言えど、一度はあなたの元から去ってしまった客層です。
顧客ランクのことは、頭の隅に置いておき、新規客が定着するまでのケアと近いことを行い、再び定着してくれるまで様子を見ましょう。
また、呼び戻しに成功したお客様は、これまでのリストとは別のグループを作って呼び戻し属性とし、その後の動きに注意を払ってデータとして蓄積することをお勧めします。
失客・休眠客を増やさないために普段から行うべき対策
この記事を読んで早速、実行してくれたあなたへ。
試してみたらわかったように、最終来店日(購入日)から遠いほど、再来店、再購入といったあなたが欲しがる反応をしてくれない確率が高いことが実感できたと思います。
また、可能であれば失客、休眠客0でありたいですが、実際は不可能です。
顧客は一定数、必ず離脱していきます。あなたが何もせず放置すれば、現在の売上から時間差で急降下する時期が訪れてくるのは目に見えています。
そうならないためにも、普段から定期的に接触回数を増やしてコニュニケーションを図り、信頼関係を築いていきましょう。