基礎戦略

ポジショニングとは?STP分析との流れや作成方法と手順を解説

長年経験を積み、念願の独立。

技術面やサービス面、商品には人一倍自信がある、、、なのに思うように売れない。

ああでもない、こうでもないと試行錯誤するも、なかなか抜け出せない負のサイクル。

なぜこの様なことが企業直後や、軌道になかなか乗らない方に多いのでしょうか・・・

事実!あなたが思っている以上に客はあなたの事を知らない

セラピスト、美容院、治療院・・・あなたのビジネスジャンルが何であれ、よほどニッチな市場か新しい市場でない限り、あなたはすでに存在するビジネスジャンル、同じ市場にて競合他社と戦うことになります。

これからあなたの商品を購入するかもしれない見込客にとっては、うまく差別化を図らなければどれも似たような商品に見えてしまうため、あなたがどんなに素晴らしい技術を持っているとしても、それを見込み客、顧客にしっかり伝えることができなければ、「選ばれる理由がない」状態に陥ってしまいます。

例えあなたの前職がナンバーワンスタイリストだったとしても、予約が取れないセラピストだったとしても、、、、。

そこで重要となるのが「ポジショニング」です。

ポジショニングとは

ポジショニングとは、マーケティング戦略の一環として、ブランドや企業(規模問わず)がその市場においてどの立ち位置を目指すかを決めることを指します。

直接的競合となる他社が取っているポジショニングを踏まえ、自社ではどのポジショニングで戦っていくかを決めるプロセスとなります。

\その悩み、打ち明けてみませんか?/

あなたがサービスを提供しているエリアにおいて既に同類のサービスが溢れかえっている状態の中でもうまくポジショニングを行うことで他社との差別化を図る且つ顧客のニーズを満たすことで優位に立つことができるため、決して軽視してはいけない設定です。

言い換えれば、このポジショニングがうまくできないことで、あなたの素晴らしいサービスは多くの競合他社のサービスに埋もれ、見込み客からは見つけてもらえなかったり、例え見つけたとしても魅力的に感じず、逃してしまう可能性を高めてしまいます。

下記図は、分析から戦略選定までの一連の流れを表しています。参考までにマーケティングでのポジショニングの関連や位置を理解しておきましょう。

ポジショニングは外部環境(ミクロ環境)分析、業界内部環境(ミクロ環境)分析を経て、基礎戦略を選定する際に行うものです。

分析と戦略の流れ

ポジショニングの設定方法(手順)

ポジショニングは先述した上記図のように、「基礎戦略」に位置します。

「STP分析(戦略)」のフレームワークを用いるのであれば、セグメンテーション(市場の細分化)、ターゲティングを経て、行います。

ポジショニング方法

①セグメンテーションを行う

セグメンテーションとは市場(顧客)細分化を指します。

セグメンテーションでは、ある指標をもとに行っていきます。代表的なものは以下の4つです。

  1. 人口統計的変数(デモクラフィック)
  2. 地理的変数(ジオグラフィック)
  3. 心理的変数(サイコグラフィック)
  4. 行動変数(ビヘイビアル)

これら4つの指標に関しては以下の関連記事でも解説していますので、合わせてご参考ください。

②ターゲティングを行う

ターゲティングとは、市場の細分化を行い、どの市場を狙うかを定めることを指します。

マーケティング戦略の中で「だれに、何を、どれほどの価格で、どのようにして売るか」を決める際の「誰に」にあたる部分です。

マーケティングの対象とする市場、顧客を限定することを指し、ターゲット設定ともいいます。

(市場:需要者と供給者が取引を行う場 顧客:供給者側から見た供給相手)

③ポジショニングの軸を決める

ここからがポジショニングの設定となります。

可視化しやすいように、縦軸、横軸の2つの軸の項目を決めて配置するポジショニングマップを作成していきます。

多くの軸を用いることで、ターゲットに効果的にアピールできず、また1つに絞ることで差別化の要素が少ないため、競合他社との差別化を図りにくくなりますので、メインとなる軸を2つ決めることをお勧めします。

kamishin
kamishin
ポジショニング軸の決め方として、自社の顧客ターゲットを整理し、顧客のKBF(キーバイイングファクター:購買決定要因)を把握、競合他社含め、比較表を作成したうえで、軸を決めると手間はかかりますが、より効果的です。

④競合他社数社をポジショニングマップに配置する

ポジショニングマップの軸を決めたら、次は競合他社をポジショニングマップに配置していきます。

もちろん軸の項目によって競合他社のポジションは異なってきますので、こうして配置することで可視化することができます。

新たに軸の項目を再設定したり、自社が構えるポジションのアイディアが浮かんでくることもあります。

⑤自社のポジションを決める

競合他社を配置したうえで、自社がどのポジションに構えるかを決めていきます。

すでにいくつかの競合他社が配置されている状態のポジショニングマップにおいて、競合他社とのポジションが近ければ、最も競合することとなり、逆に遠ければ差別化、独自性を図ることができる可能性が高くなります。

ただし、自社のポジションには経営資源や企業理念、ブランドイメージなどの要素も関わってきますので、これらも踏まえてポジショニングをとることが大切です。

ポジショニング例

ポジショニングマップ 例

上記図は架空のレストランとして、競合他社とのポジショニングを示した例です。

縦軸に提供スピード、横軸に商品ラインアップとしています。

競合B社は、商品ラインナップが多く提供スピードは若干早め、競合C社は商品ラインナップが多く、提供スピードは遅い、D社は提供スピードは平均的、商品ラインナップは少ないといったポジションとなります。

そこで、架空の自社は商品ラインナップを絞り込み、提供スピードを早くできるポジションで勝負することとしています。

そのための商品開発、提供マニュアル開発をはじめとした各種設定に取り組んでいくという流れです。

kamishin
kamishin
今回はあくまでも例として簡易的に挙げていますが、実際はもっと複雑になる場合ももちろんあります。

ポジショニング設定を行う際の3つの注意点

ポジショニングを行う上でいくつか押さえるべき注意点があります。

以下のポイントを押さえ、満たすことができているかをチェックしましょう。

  1. 顧客ニーズの把握と顧客ニーズのあるポジショニング
  2. 自社の戦略や企業理念との整合性
  3. ポジショニング軸の低相関性

①顧客ニーズの把握とニーズのあるポジショニング

ポジショニング設定を行うということは、すでにセグメンテーションやターゲティングを行っているはずですので、大きくずれることはないと思いますが、ターゲットとする顧客のニーズがしっかりあるのかを確認することが大切です。

ポジショニングの目的は、縦軸、横軸を用いてポジショニングマップで可視化し、競合他社との差別化を図ることはもちろん、それと同時に顧客に自社商品(サービス)と価値をより魅力的に伝えるためのものです。

また、自社の立ち位置を発見するためのものでもあります。

顧客が商品(サービス)を購入する際に重要視する内容を把握したうえでポジショニング軸にすることがポイントとなります。

ここがずれると、差別化を図ることはできても、顧客のニーズを満たすことができないため、結果売れないポジションを取ってしまう恐れもありますので十分注意しましょう。

②自社の戦略や企業理念との整合性は取れているか

ポジショニングは自社戦略や掲げている企業理念、ブランディングとの整合性がとれているかも重要となります。

わかりやすく例を挙げるとすれば、「手頃な価格でより早く」というような企業理念、またはあるブランドで掲げている場合に、「高価格帯」の市場でポジションをとろうとすると、一貫性がなくなってしまいます。

理念やブランディング、戦略との一貫性が保てない場合は、見直しやブランディング戦略を新たに考慮する必要も生じてきます。

③設定したポジショニング軸は相関性が低いか

ポジショニングを行う際に縦、横に軸を設定しますが、その際の軸が相関性が高いと意味をなさない状態となります。

例えばよくあるポジショニング軸の失敗例として挙げられるのが、「性能」と「価格」とです。

高性能になればなるほど、価格もその分上がってしまうのは当然であるため、この2要素でポジショニング軸をとるとポジショニングマップの意味があまりありません。

顧客ニーズ・競合他社とのバランスを見ながら最適なポジショニングを見つける

モノ、情報共に溢れている現代社会において、顧客ニーズを満たしつつ、競合他社との差別化を図ることは容易ではありません。

しかし、こうして基礎戦略であるSTP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を行うことで、埋もれている顧客ニーズの発見や、競合他社がまだ攻めていないポジションなど「隙間」を発見することも少なくはありません。

分析というと手間がかかり、面倒だと感じる方も多いですが、これから先、より企業が成長するためにも必要不可欠ものであることは変わりありません。

まずはご自身でフレームワークなどを用いて手順に沿ってやってみること。

0から1へと行動を変えることを強くお勧めします。

関連記事

TOP