あなたのビジネスにおいて、何かしらリストがあると思いますが、それをうまく利用できているでしょうか?
- あなたが展開しているマーケティング施策で獲得した見込み客リスト
- あなたの商品(サービスや製品)を購入した顧客リスト
すでにあなたと取引がある客の情報、まだ取引がないユーザーの情報の2つに分けることができます。
今回は見込み客リストや顧客リストを用いて行うリストマーケティングについて解説していきます
リストマーケティングとは
リストマーケティングとは「見込み客リスト」や「顧客リスト」を用いて、商品(サービスや製品)のセールスを行うマーケティング手法です。
あなたが展開しているマーケティング施策で獲得した顧客情報を活用し、個々やセグメントに対してターゲットされたマーケティングキャンペーンを指します。
代表的なリストマーケティングの種類
- メールマーケティング
- テレマーケティング
- ダイレクトメールキャンペーン
- ターゲット広告キャンペーン など
メールマーケティング
メールマーケティングとは、見込み客リストや顧客リストで獲得したEメールアドレスにメールを送信して、成果向上を目指すマーケティング施策です。
最終的にはセールスに繋げるケースがほとんどですが、必ずしも最初から商品をセールスするとは限りません。(むしろ、最初からセールスして商品が売れるほど、世の中簡単には行かないものです。)
- 見込み客リストをセグメント、Eメールを利用してメールでリードナーチャリングを行って購買意欲を高める
- 顧客リストをセグメント、Eメールを利用してメールで商品(サービス、製品)のプロモーションを行う
など、目的は様々です。以下のリンク先の記事のような実店舗での活用もリストマーケティングの1つです。(目的にもよりメルマガと併用することが多いですが・・・)
メールマーケティングとメルマガの違い
意味をよく取り違うメルマガとの違いとしては以下があります。
メールマーケティング | メルマガ | |
目的 | 態度変容を起こす | 情報を届ける |
リストの重要度 | 質 | 量 |
獲得効果 | 売上向上 | ファン化 |
スキル |
|
|
成果達成期間 | 短期間 | 長期間 |
テレマーケティング
テレマーケティングとは、リストで得た電話番号を用いて電話でコニュニケーションを図り、成果向上を目指すマーケティング施策です。
昔は、電話帳を活用して見込み客へテレマーケティングを行う時代もありましたが、現在では見込み客リスト、顧客リストを用いて行うのがほとんどです。
電話をする相手や時間を考慮するだけでなく、短時間で目的を達成するためのトーク力、状況に応じた判断力を求められます。
大半が事前にトークスクリプトを作成し、研修を経て行います。
ダイレクトメールキャンペーン
ダイレクトメールキャンペーン(マーケティング)とは、獲得したリストの住所を用いて情報を直接(ダイレクト)郵送し、成果向上を目指すオフラインのマーケティング施策です。
デザイン、形式や仕様など多種多少です。郵送物なので、届いた多くの郵送物からまず手に取ってもらう、中を見てもらうというアクションを行ってもらうことが第一ステップです。
メールでいう、タイトルや見出しと同じですね。
ターゲット広告キャンペーン
見込み客、顧客リストを元に、ターゲットとしてWEB広告を配信します。
ターゲットをより明確に特定して効果的にアプローチすることが可能です。
ただし、個人情報の保護やプライバシーに関する法規制には十分な配慮が必要です。
リストマーケティングのメリットとデメリット
見込み客リスト、顧客リストを用いて行うリストマーケティングにも、もちろんメリットとデメリットがあります。
効果測定や成果の分析ができる
リストマーケティングの種類によって多少異なりますが、展開したリストマーケティングの効果を測定できるメリットがあります。
計測タグの設置やプロモーションコードの設置を行うことで、反響率や流入経路の計測も可能です。
どのマーケティング活動でも、やはりテストや成果の分析、改善の繰り返しは必須です。
数値化して把握できる点は非常に魅力を感じますね。
セグメントで更に成果向上を図ることができる
リスト管理、反応に応じたセグメントで、リストマーケティングを展開することで更なる成果向上が見込めます。
どのセグメントに対して、どんなコンテンツを届けるか、順序、タイミングなど様々なテストは必要ですが、繰り返すことで、売上向上に貢献してくれる可能性を大いに秘めています。
低コストで運用できる
リストマーケティングの中でもメールマーケティングなど対面でなければ、人件費を抑えることが可能なため比較的低コストで運用できます。
また、テレマーケティングにおいても、より細かいセグメントで絞り込んだテレマーケティングが実行できるため、工夫次第で小規模企業でも十分取り入れることができるのではないでしょうか。
成果が出るまである程度の時間がかかる
リストマーケティングを始めるにあたり、様々な準備が必要です。(後述します)
そもそものリスト収集、自動化の仕組み化(システムの導入や、効率的な仕組みづくり)、など作り上げるまでに時間がかかります。
一度全体を自動化してしまえば、マーケティング施策としては非常に効率的なのですが・・・。
また、結果に対しての検証や改善、様々なテストが必要ですので、この点でも時間を要すると言ってよいでしょう。
情報漏洩のリスク管理が必要
見込み客リスト、顧客リストには大切な個人情報が含まれています。
情報の漏洩を防止するために情報保護の仕組みを作ることが必要です。
また、万が一情報が漏洩した場合、企業やブランドの信用問題に繋がりますので、十分な注意しましょう。
リストを扱える権限を絞るなどの工夫もリスク管理の1つです。
リストマーケティングのやり方(流れ)
リストマーケティングとは何か、種類にはどんなものがあるのか、メリットやデメリットが理解できたところで、リストマーケティングのやり方の一連の流れを紹介します。
①リストマーケティングの目的と目標の設定
まずは、リストマーケティングをマーケティング施策として導入するにあたり、明確な目的、目標を設定します。
最終的には商品(サービスや製品)の購入に至るのでしょうが、目的や目標を明確に掲げることで、企業や部署、担当者の意識統一を図ります。
②リストを集める
リストマーケティングを行うにあたり、リストがなければ何も始まりませんので、まずはリストを集める、そしてそれを仕組み化することから始めます。
どこで集めるのかを決める
リストを収集する場所、つまりどの媒体で集めるかを決めます。
現在展開しているマーケティングと組み合わせていきましょう。
- ホームページ
- ブログ
- SNS
- WEB広告
- 店頭
- セミナー
- イベント など
リスト収集までの導線を設計する
見込み客、顧客それぞれのリストを回収するまでの導線を設計します。(リスト回収までの一連の流れ)
また、媒体と導線によっては、リストを回収するまでに、いくつかのステップ(コンテンツ)も必要となります。
その際に必要なコンテンツの計画、制作、投入フロー、テスト、分析、改善、検証などの一連の流れもあわせて決めていきましょう。
回収したリストをセグメント
獲得したリストは大きく、見込み客(まだあなたの商品を購入したことがない層)と顧客(すでにあなたの商品を購入したことがある層)の2つに分けることができます。
しかし、見込み客、顧客と言えど、様々な購買心理や顧客ランク(購入回数や購入頻度、客単価、継続購入期間など)が混在しているため、事前に決めたルールを元に、セグメント(振り分け、グループ化)を行います。
リストマーケティングをより効果的に、そして定めたコンバージョンを獲得するためには、このセグメントが非常に重要です。
これを行わない=リストマーケティングの失敗に繋がると言っても過言ではありません。
セグメントリストに応じてナーチャリング
セグメントリストに応じて、それぞれナーチャリングを行います。(ナーチャリング=育成)
見込み客にはコンテンツを通じて、ニーズ、ウォンツを高めるナーチャリングを、顧客には、リピート購入、アップセル、クロスセルんど更なる売上貢献のためのナーチャリングを行いましょう。
商品(サービスや製品)のセールス
ナーチャリングを経たセグメントに対し、商品のセールスを行います。
ナーチャリングを通じて信頼関係を高めたセグメントには、それぞれが抱える問題を解決できる商品の提案をしていきます。
この際、ナーチャリングがうまくいっているほど、購入に至る確率は高くなります。
効果測定と改善
導線、投じたコンテンツ、ナーチャリング内容に対しての反応を測定していきます。
結果によって、必要であれば改善し、テスト、実行に移しましょう。
やりっぱなしはリストマーケティングに限らず、意味がありません。
リストの最適化と再セグメント
リストマーケティングを展開し、把握やナーチャリングの進行状況、反応があったもの、そうでないもののなど、リスト内のそれぞれの状態を把握し、リストを常に最新の状態に保ちます。
また、セールス後、商品購入、非購入どちらでも、そこがゴールではありません。
見込み客 | 購入or非購入 | 更にセグメント |
顧客 | 購入or非購入 | 更にセグメント |
セグメントの種類、行動別にさらにセグメント。これを繰り返し、それぞれに応じて新たなリストマーケティングに繋げます。
アプローチは継続して行い、顧客の脳裏にあなたやブランド、サービスが残っている状態を保ちましょう。
少数リストであればまだ可能ですが、リストが多い場合、明確な管理や把握が困難です。
状況に応じて、メール配信システムやMAツールの導入の検討も必要となります。
リストマーケティングを失敗する原因
リストマーケティングの一連の流れを理解したとしても、失敗はつきものです。
よくあるリストマーケティングの失敗に繋がる原因は以下があります。
- そもそもの媒体のインプレッションが低すぎる
- 導線設計が悪くリストが集まらない
- コンテンツの質が悪く、リスト回収まで至らない
- 情報入力フォームが不便で途中離脱が多い
- セグメントが悪く、異なる属性が混在している
- 管理できずに途中でやめる など
リストマーケティングは手間はかかるが効率的なマーケティング施策である
事前準備や管理など手間暇かかるため、一見非効率と感じる方も多いかもしれません。
しかしこれを乗り越え、仕組み化、自動化することができれば、効率的なマーケティングを展開することが可能です。
せめてメール配信システム、企業規模とコストによりますが、MAツール導入が近道かと・・・・
既に展開しているマーケティング施策と組み合わせて、あなたの新たな戦略として検討してみては?