ホームページや実店舗への導線の一つとして用いられることが多いInstagram。
様々な業種でInstagramによる集客を試みているが、思うように成果に繋がらず苦戦している方も多いようです。
今回はマーケティングジムにご相談いただいた実例をもとに、Instagram集客のコンサルティング依頼内容並びに、実例を公開範囲可能な限り紹介していきます。
なお、クライアントの機密保持のため具体的なブランド名並びに店舗名は伏せることとし、事例によってはいくつかの案件を組み合わせひとつのコンテンツとして提供しますのでご了承ください。
Instagramで集客できないと悩む相談者の依頼内容
これから紹介する相談者には記事にて紹介する内容に対しての許可を事前にとっています。許可のない相談内容については一切公表いたしませんので予め告知しておきます。
現在、Instagramを使って集客しようと試みていますが、実際のところInstagramからの問い合わせや、来店までに全く繋がっていません。
私の業種では Instagramによる集客は難しいのでしょうか?
・・・・数日後
お互いのスケジュールを合わせ、お問い合わせから数日後ZOOMにてヒアリングを行うことになりました。
コンサルを受けるのは初めてなのでなんか緊張します・・・。
何事も初めては緊張しますしね。
もっと堅苦しい人かと。コンサルタントのイメージがジャケットやスーツを着てかしこまったイメージがあったので
スーツを着た方が説得力がある、印象が良いなんて考えも全くないですし、ぶっちゃけクライアントの実績を伸ばしてこそなんぼの世界なので(笑)
スーツ着てクライアントの売上が上がるんだったらスーツ着てます(笑)
それでは早速いろいろ聞きたいことがあるので、聞いてください。
Instagramで集客しているがアカウントを運用し1年半が経つにもかかわらず実際の集客に繋がらない
会話形式だと、スマホで閲覧した際かなり縦長になってしまうので、テキストにて紹介します。
神:アカウントと投稿内容を確認させていただきました。
メールでもご案内いたしましたが、以下について教えてください。
- 集客方法としてInstagramを利用した理由
- 狙っている市場(顧客)とターゲット
- あなた自身や店舗、サービス自体のポジショニング(あなたの立ち位置)
- Instagramによる目的と目標
- Instagramで集客するために行なっていること
ク:まず、Instagramを 集客方法として選んだ理由は、私のエリアで他社も既に利用している点、上手くいけば無料で集客できる点、サービスのターゲットである女性の利用者が多いためです。
- 狙っているターゲットは・・・・・・です。(クライアントの機密保持のため非公開にします)
- ポジショニング、、、、名前は聞いたことあるのですがなんか難しそうだなと思って手をつけていません。
- 目的はInstagramのフォロワーから実際に来店してサービスを購入してもらうことです。
- 目標は、Instagram からの来店が月に5件、問い合わせが10件に設定しています。
神:ありがとうございます。このようにInstagramで集客するだけでなく、どんなものであれ市場やターゲットを明確にしたうえで、目的と目標を立てることは大切です。
ヒアリングに対しての回答
初期段階としてこれらを設定せず、小手先でのSNSの運用は必ずと言っていいほど失敗します。
それでは集客するために実際に行っていること教えてください。
ク:できるだけ毎日投稿することを心がけ、サービスに関わるハッシュタグを必ずつけています。あと、サービスのことに関する内容ばかりの投稿はセールスじみてしまうので、時々プライベートのことを載せています。
神:投稿内容全体、アカウントのプロフィールなど確認させていただきました。
気になる点がいくつかあるので順に解説していきますね。
①セールス内容が多い
おっしゃっていたように投稿の多くがセールスになっていますね。Instagramに限らず目的の設定を「来店」や「購入」とすると自然とセールス色の強い投稿内容になってしまいます。
改善点として、Instagram ユーザーの一部が実際に来店しサービスを購入する目的の設定はそのままで構いませんが、もう少し広い視野を持ちましょう。
マーケティングとは簡単に言えば、セールスマンの目の前に見込み客を連れてくる行動です。
つまりマーケティングではセールスを行いません。
- あなた自身や店舗
- サービスの認知拡大
- 見込み客の悩みを浮き彫りにする
- 悩みに対する解決策=あなたのサービスとなる着地点
- 他社の中からあなたのサービスを購入するメリット
- 実際にあなたのサービスを利用する方の声
など、今回であればInstagramを用いて集客に直結させるのではなく、Instagram内であなたのサービスの価値全体を高め、セールスの一歩手前の段階まで持っていきます。
イメージで言えば、見込み客がサービスを購入するためのアシストと言った方がわかりやすいでしょうか。
拝見させていただいたアカウントの運用内容ではマーケティングというよりはInstagramでセールスしている状態なので自ずとセールス色の強い投稿内容となってしまいます。
②Instagramのハッシュタグの使い方
神:投稿している内容を発見していると、必ずハッシュタグを用いていること自体は良いことなのですが、ハッシュタグの使い方がもったいないなという印象です。
Instagramのハッシュタグを決める際、事前に決めて全部コピペしてますよね?
ク:はい、事前にリサーチしてテキストの最後に貼り付けて効率化を図っています。
神:やっぱり。効率化を図るという面では良いのですが、見込み客の目線で見てみましょう。
このハッシュタグであなたの店舗に訪れるかもしれない見込み客があなたの投稿を見つけることができますか?
実際に見つけることは可能ではあるが、見つけてもらう確率はかなり低い状態です。
原因として、ハッシュタグが全てビックキーワードになっているため、あなたのエリアの見込み客に直接アピールできている可能性は低く、日本国内全体にアピールしている状態です。
実際、 ユーザーの一部が来店し、サービスを購入してもらうには、もう少しハッシュタグの規模が小さいものも利用してください。
ク:規模が小さいもの?
神:ハッシュタグ+エリアなど複合のハッシュタグを用いることです。 サービス名とエリアを組み合わせるのはもちろんのこと、サービスジャンルとエリアや最寄り駅など、組み合わせることで狙うターゲットを狭くします。
現在のハッシュタグでは単一のハッシュタグばかりを用いていて、全国のユーザーに発信している状態です。そのため投稿が埋もれるケースも多いはず。
ターゲット設定は行なっているものの、ハッシュタグに反映されていないため、ターゲットにあなたの投稿が届いていない状況になっています。
僕の予想ですが、ハッシュタグの件数が多いから利用しようと思ったのでありませんか?
ク:なるほど。確かにこれでは全国の人に向けて発信しているのと変わりませんね。・・・そうです。たくさん使っているから目立つかなと?
神:ボリュームが多いハッシュタグの利用も構いませんが、ボリュームが中ぐらいのもの、小さいものなど組み合わせて行うほうがベターです。
あと、事前に決めたハッシュタグを毎回コピペしているので、投稿内容に関係のないハッシュタグも含まれています。
おおよそのベースは固めて構いませんが、残り数個は投稿ごとに使うハッシュタグを変えて、投稿内容に応じて使い分けましょう。
③Instagramから店舗への来店までの動線が整っていない&分析できていない
神:せっかくInstagramで 集客を試みているのに、 来店までの導線が整っていない状態がかなりもったいないです。
ビジネスアカウントに変更して、位置情報を最適化するのと、問い合わせボタンの設置とホームページなどの URL を記載してください。
プロフィールですが、店舗の紹介だけに留まっているので、もう少し魅力を伝える内容に変更した方が良いと思います。
せっかくターゲットを絞っているので、そのターゲットに向けたメッセージ性のあるプロフィールに変更した方が魅力が伝わりやすいですよ。
ポイントはターゲットが欲しがるもの=あなたのサービスとすることです。
ターゲットが欲しがるもの、つまりターゲットの悩みの解決策やサービスを利用することで手に入れることができるメリットなどを明確に表現すると良いですよ。
・・・ビジネスアカウントではないから改善内容も明確になりませんよね?
ク:解析?やばい全くしません汗
神:わぁもったいない。設定>アカウントからすぐに切り替えることができるので、すぐにやってくださいね。
ビジネスアカウントに切り替えることで、インサイトが利用できるようになります。
投稿やストーリーズのインプレッションやリーチ、インタラクション、オーディエンスの内容が分かるので、運用の改善に役立ちますよ。
インサイトで投稿の反応やリーチなど各数値の変化を見極めて、どの投稿、ハッシュタグがターゲットに届きやすいのかなど分析して、改善していきます。
僕らのようなコンサルタントやマーケターにとって、分析は必須です。
経営者の方やマーケティング担当の方も分析は必ず行うべきです。
なんとなくや肌感覚でのマーケティングは結果的に自己満足だけに終わり、実績が伴いません。
せっかく日頃の業務の合間で時間と労力を費やして行なっている SNS の運用も意味がなくなってしまいますので必ず分析してください。
分析した結果をもとに、今度はどうしてみよう、こうやってみて出た結果がこれといった行動に移して検証し、改善を繰り返すことが大切です。
ヒアリング時の雑談
ク:どうしてアカウントや投稿を見てここまでわかるんですか?的確に言われて何も言い返せないような、ぐうの音が出ないような。
神:経験と言ってしまえばそれまでですけど、これまで様々なジャンルのビジネスに携わってきたので、蓄積した経験やテスト内容、改善結果などの目線から見てみると、うまくいかなかったの共通点が多く出てきます。
根本的な問題もあれば、もう少し改善すればすぐにうまくいくのにそういった欲しい方も多くいます。
もちろん、このヒアリングの時点では全てお伝えしきれてるとは言えません。
本来、コンサルティングであればクライアントごとに置かれている状況も異なりますし、依頼されるタイミングによって様々な外部環境や内部環境による影響によって市場は変化しているのも見逃せません。
今回のヒアリングはInstagramの集客についてでしたが、クライアントの希望や経営方針によってもどの施策を用いるかは異なりますし、状況によってはInstagramを使わない場合も多くあります。
あくまでもSNSはマーケティング戦術の一つに過ぎませんし、戦術や集客方法にこだわるのではなく、クライアントのビジネス全体から様々な観点で分析し一緒に戦略を練っていき、実際に行う戦術に落とし込んでいきます。
そして、検証して改善を繰り返すことでそのクライアント専用のマーケティングの仕組みとして確立していくのが僕のコンサルティングの仕事です。
ク:何か私が思っている以上に、規模が壮大ですね。難しく感じますが、 私でもうまくできるのでしょうか?
神:実際に行うのはあなたですが、分析したり戦略を練ったり戦術に落とし込むのは、全て僕がサポートして行きます。あなたが最終決定権を持っており、僕は右腕、左腕みたいな位置取りですね。
もちろん、ただサポートするだけじゃなく、アイディアを一緒に出したりしますし、マーケティングを行う方の育成も行います。
ク:育成?色々教えてくれるということですか?
神:はい。分析から基礎戦略(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)の設定、実際の戦術への落とし込みはもちろんですが、ビジネス目線での物事の考え方や、マインドセット、アイデアを生み出す観点など、ご契約頂いたクライアント自身が成長しなければいつまでたってもこのマーケティングジムから卒業できないので・・・
だってもったいなくないですか?決して安くはないコンサルティング料をずっと払い続けるよりも、契約を通じてマーケティングのスキルを身につけていただき、契約終了後はご自身で行なっていただく。
苦戦している時に打開策として僕のコンサルティングを利用してもらい、駆け上がったらご自身でやるほうが経費も削減できますし、その分利益も上がります。
後は問題に当たったときや相談したい時にご連絡いただければいい話で・・・
ク:クライアントさんだからずっと契約しておいてほしいという考えじゃないんですね?以外でした(笑)なんか神崎さんって無料だろうが有料だろうが相手に尽くすと言うか、ギブアンドテイクではなくギブばかりのような気がするのですが。
神:あはは(笑)僕の性格もあるでしょうね。最初に言いましたがぶっちゃけクライアントの売上が上がらなければ僕の存在意義もないですし、 V字回復したり、軌道に乗ったり、開業から良いスタートダッシュをしたりと、クライアンによって状況は様々ですが、クライアントの求めるものが手に入ればそれで良いかと思っています。
ただし、勘違いする一部の人に向けてここでもちょっと言いたい(笑)
ク:なんですか?(笑)気になる
神:値切る人と他人任せの人です(笑) ちょっと言い方は悪いですがご自身だけ利益を得れば良いという考え方は正直好きではありません。
人は平等に1日24時間です。その時間の中でコンサルティングに費やす時間と労力に対して値段をもっと安くしてくれというのは正直全く割に合わないのと、料金を安くすることでコストを削減するのではなく、売上を上げるための自分への投資として考えて頂きたいと思っています。
ご自身を中心とした考え方は、ビジネスに通ずるものがあって。。。。
実際にご自身の利益ばかり考え、利益を生む元である肝心な顧客に対して深く考えてない方は、遅かれ早かれ顧客がついていかず結果的にビジネスがうまくいかなくなってきます。
利益ばかりを考えた値段と商品の価値がアンバランスなものとかね(笑)
ク:結構いるもんなんですね・・・汗
神:余談はこれくらいにして、何か他聞きたいことありませんか?
ク:アドバイス頂いたことをすぐに実行しようと思います。
神:うんいいことです、即行動に移すこと。行動までのスピードが早い人の方が成長も早いですし、その分変化も早く訪れます。
ク:あとひとつ、神崎さんから見て、僕があったらこのアカウントこうするなみたいなヒントください。
神:うーん、僕だったらねぇ。もっとリールとストーリーズと動画の投稿使うなあ・・・。
ホームページにも記載している商品あるじゃないですか。それを実際使っている動画を投稿して、活用例を見込み客に教えるのも良いと思いますよ。
実際に売っているサービスあるじゃないですか、そのサービスを契約した方、つまり現在の顧客に、ヒアリングなりアンケートをとるなりして契約に至った理由(他社ではなく自社を選んだ理由、決め手となったポイント)を把握しておくことは必須です。
選ばれた理由を明確にしてコンテンツに落とし込み、 Instagram を通じて提供すればそれを欲しがる見込み客に響くと思いますけどね。
実演かな? 実際に顧客に提供しているサービスの一部の様子とかを利用すると、サービスのイメージがつきやすいので興味を持ってもらいやすいと思いますよ。
ク:なるほど。したほうがいいかなと考えたことをズバリ言われたのですごく納得しました(笑)
神:そう思ってたんだったら、まず実行に移した方がいいですよ。
初めから完璧なんて誰もいません。まず行動に移すこと、失敗を繰り返しながら改善していてより良いサービスにアップデートする方が正直早いです。
ク:何から何までありがとうございます。しかもこんなに長い時間(笑)早速、今日から実行に移していきます。ありがとうございました。
神:こちらこそ長々とお時間いただきありがとうございます。まぁまた壁が立ちはだかったら気軽に相談してください。
公開範囲を一部狭くしましたが、ヒアリング時の流れや様子はこの様な感じです。
Instagramで集客を試みている方で、苦戦している方は、ヒアリングや回答内容を参考にして、使えるものはどんどん使ってください。
※ただし、できるだけInstagramだけでなくあなたのビジネスの現状を様々な観点から分析してまずは「知る」ことから始めることをおすすめします。