あなたが素晴らしいサービス(商品)を持っていたとしても、それを売る相手とタイミングを間違えば、思うように売れません。
購買意欲が高い客、検討している客、購買意欲が低い客とそれぞれが持つ感情は違うため、表現方法、訴求ポイントに注意したいところです。
今回はその中でも「購買意欲の低い客」に向けて使いたいキャッチコピーの例をいくつか紹介します。
使用するメディアや状況によって文字数などが制限される場合もあると思いますので、その際はアレンジして使いこなしてくださいね。
購買意欲が低い客が持つ感情を理解しよう
まずは、今回ターゲットとなる購買意欲が低い客がどのような感情を持っているのかを理解しておきましょう。
現段階ではまだ購買意欲が低いこの客は「ベネフィットには興味があるものの、そのサービス(商品)が問題解決策であるとは知らない」状態にあります。
自身が持つ問題や悩みに対して
- 〇〇したい(なりたい)けどどうすればいいのだろう・・・
- 〇〇をする(〇〇になる)何か良い方法はないかなぁ
という様に漠然と考えています。
この状態に対して、解決策は自社のサービス(商品)ですと提案してもセールスに感じてしまって警戒したり、その前の段階で目に留まらない結果に繋がる可能性が高くあります。
購買意欲の低い客が欲しいものはベネフィットであるため、サービスや商品を売り込まずに「素晴らしい解決策」を提案するようにしましょう。
ちなみに広告業界では提案を【訴求】と読んでいます。
購買意欲の低い客に反応してもらうためのキャッチコピー例
購買意欲の低い客がどのような感情を持っているかが理解できたら、「おっ!?」と反応してもらうためのキャッチコピーの例を覚えておきましょう。
購買意欲の低い客に反応してもらうポイントは「サービス(商品)」を伏せた訴求を行うことです。
購買意欲の低い客はいきなりサービスを提示しても思うように反応しれくれません。
〇〇の方法という様にサービス(商品)を伏せて行うと良いですね。
それでは購買意欲の低い客に反応してもらうためのキャッチコピーの例を紹介していきます。
①〇〇な方へ(あなたへ)+ベネフィット
カクテルパーティー効果を用いたキャッチコピーにベネフィットを加えたキャッチコピーです。
※カクテルパーティー効果とは、1953年にイギリスの認知心理学者のコリン・チェリー によって提唱されたもので、多くの音の中から自分に重要である、必要である情報を無意識に選択することができる脳の働きを指します。
このキャッチコピーとベネフィットの組み合わせで、1つ例を挙げてみましょう。
ターゲットの状況・・・仕事で長時間パソコンを使うため、眼精疲労や首、肩こりに悩まされている。
適度に運動をしなければと思ってはいるものの、毎日の仕事が激務なため、休日はできるだけ体を休めたい。
訴求するベネフィット・・・うたた寝しながら楽して解消する
こういった状態のターゲットに対してキャッチコピーで反応してもらうには・・
眼精疲労が原因で首、肩凝りに繋がり疲れが取れないターゲットに対して、体を休めながらそれらを緩和する方法として提示します。
この例ですとマッサージサロンやリンパケアサロンの方がそのまま使えそうですね。
先述したように、購買意欲が低い客へのアプローチのため、サービス(商品)は伏せたままで訴求することがポイントです。
②〇〇に(が・を)■■した結果・・・
ネットニュースの記事や近年ではYouTubeのタイトルでもよく使われる〇〇に■■した結果・・・
ザイガニック効果を用いたキャッチコピーです。
※ザイガニック効果とは数ある情報の中から何かしら興味を持ち脳内に入れた情報が「未完成である」「中途半端である」際に、足りない情報を知りたくなる心理を指します。
身の周りでいうと、映画の予告編を見た後やちょうどこれからという時にCMに入ってしまうテレビ番組がわかりやすい例ですね。
ではこのザイガニック効果を用いたキャッチコピーで例を挙げてみましょう。
ターゲット例・・・子供を有名進学校に入学させようと学習塾に通わせている親御さん。
高い学費を支払ってはいるもの、有名進学校への入学どころか、学校のクラスでもパッとしない成績。
子供自身はやる気があるものの、このままで良いのだろうかと不安に思っている
こういったターゲットに対して反応してキャッチコピーで反応してもらうには・・・
このザイガニック効果を用いたキャッチコピーに先述したカクテルパーティー効果を用いた〇〇な方へを組み合わせても良いですね。
また、成績を上げたいのに、上げるために通わせている学習塾を辞めさせたという、正反対な行動と意外性を足したキャッチコピー例です。
その他の例として
結果どうなったのかをキャッチコピーで全て提示せず、読み進めてもらうためのフックとして活用しています。
③〇〇でこんな間違いをしていませんか?
フィアアピール(恐怖欲求)効果を用いたキャッチコピー例です。
フィアアピール効果を用いる場合のポイントとして、ベネフィットは提示しないこと。
あくまでもスルーしがたいような注意喚起で見込み客の注意を集め、読み進めてもらう表現を取り入れるのがポイントです。
ターゲットの状態は省きますが、いくつか例を挙げますので参考にしてください。
このキャッチコピーの後のボディコピーで、間違い例を複数提示し、間違えたままでのデメリット、それを解決する方法としてあなたのサービスへと続きます。
「え?」「ドキッ」とさせることが大切ですよ。
④〇〇するな+ベネフィット
カリギュラ効果を用いたキャッチコピー例です。
※カリギュラ効果とは、制限や禁止を与えることでかえって気になってしまう心理効果を指します。
「開けないで」と言っているのに開けたくなる、「心臓に悪い方は閲覧注意」と言われたらどれだけ怖いのだろうと余計に見たくなる様なこともこのカリギュラ効果です。
このカリギュラ効果を用いたキャッチコピーのポイントとして、ターゲットがすでに行っていそうなこと、知っていあそうなことを禁止し、ベネフィットを加えることです。
また、禁止する内容はターゲットができるだけやりたくないことを禁止できればより強力なコピーとなります。
⑤〇〇しなくても■■できる
見込み客が抱いているイメージを覆すことで有効的なキャッチコピーです。
〇〇には見込み客が知っているような解決策を入れると良いでしょう。
また、④のカリギュラ効果を用いたコピーと同様、〇〇に「できればやりたくない」「苦痛を感じるので他の方法があれば良いのに」というような若干ネガティブな感情を持っている解決策を入れるとより効果的です。
キャッチコピーの内容と使う相手で大きく反応が変わる
購買意欲の高い客へのアプローチが容易にできれば売上は面白いように伸びますが、購買意欲の高い客<検討客<購買意欲の低い客と高くなるにつれて数は少なくなるため、大半の方はまず「購買意欲の低い客」へ勝負を挑まなければならない状況です。
だからこそ、キャッチコピーは重要であり、必要不可欠です。たった十数文字であっても変えるだけで大きく反応が変わることが多くあります。
私たちマーケターも数多くの違いを経験しているからこそ、キャッチコピーの重要性をお困りのあなたに強く伝えたいものです。
キャッチコピーの長さや表現方法を工夫すればチラシやWEB広告、SNSの投稿など様々なメディアで活躍することでしょう。(ブログの場合はSEOの観点から更に工夫が必要です)
今回のキャッチコピー例を早速使ってその反応をお確かめください。