プライベートで外食する際、仕事意識が抜けきれないのかついついホールスタッフの接客やホール内での動きを観察してしまいます。
個人的に人気の店だから行ってみよう、そうじゃないから行かないでおこうといった店のチョイスはしませんが、行ってみてからわかる大きな差があります。
- 明らかに繁盛していないし、今後も繁盛しないだろうと感じてしまう店
- 繁盛してもおかしくないのにマーケティングが機能してなさげな店
- 徹底されたマーケティングとセールスでコツコツ積み上げた繁盛店
- もはやもうマーケティングすら不要なのではと感じるような圧倒的な繁盛店
同じジャンルの店であっても、差を感じます。
今回は繁盛店と繁盛しない店の接客にスポットを当て、クライアント様の競合分析時、プライベート時に感じたホールスタッフの違いについて解説します。
もしあなたが現場にいない、もしくはキッチンにいてホールスタッフの姿を見ることができない状態であれば、定期的にホールスタッフの接客を観察することを強くお勧めします。
もしかすると、あなたが気づいていない間に、ホールスタッフは「やらかして」しまってるかもしれませんよ。
1.繁盛店と繁盛しない店の接客スタイルの差
「おもてなし?当たり前だろ」と聞こえてきそうですし、実際僕当たり前のことだと思っていますが、非繁盛店は悲しいかなそうとは言えません。
繁盛しない店の接客は単なるルーティン作業レベル
仕事に対する意識が低いホールスタッフが多い印象です。
お客様と直接かかわる時間、回数が多いホールスタッフの対応は、その店の直接的な評価の対象にもなるにも関わらず、意識の低いホーススタッフは、おもてなしとは程遠い作業的な接客をします。
慣れ過ぎてルーティン化したような店内への案内、上着を脱いでどこに掛けようかと見渡す仕草をしても、見て見ぬり。
最悪な店は、まだきちんと座っていないにも関わらずおしぼりを出し、終いにはファーストのドリンクを取るという。
これには呆れることを通り越して、笑ってしまいました。
その人だけでなく、店の価値がどんどん下がる一方なのに、だれも教育しないのだろうかと不思議に思います。
例えアルバイトだろうが、パートだろうが、新人の社員だろうが、お金をもらっている以上しっかりとプロ意識を持ってほしいものです。
繁盛店の接客は「おもてなし」レベル
一方、繁盛している飲食店の接客は先述した繁盛しない飲食店のホールスタッフとは全く違います。
来店直後、店のコンセプトに応じた雰囲気での「いらっしゃいませ」から始まり、着席するまでのエスコートや先ほどのおしぼりのタイミングなどいわゆる普通のことでも徹底されています。
また、大きな荷物を持っている場合のお預かりや、短いスカートのお客様へのひざ掛けの提供、ちょっとした合間でのお客様のとコミュニケーションを取るなど、先述した繁盛しない店の接客とは大違いです。
会計時の接し方やクロージング時のお見送りまで、来店から退店まで「おもてなし感」があります。
2.繁盛店と繁盛しない店のオーダーの取り方の差
繁盛店と繁盛しない店の違いはオーダー時にも大きな差が見られます。
オーダーの取り方は、客単価はもちろんその合計である売上にも大きく影響するため、ホールスタッフの動きは重要です。
繁盛しない店のオーダーはただ聞くだけ
繁盛しない店のオーダーの取り方は「ただ聞くだけ」のスタイル。
目の前にいた場合、目や手で合図を送るも、結局気づいてもらえず、「すいません」を連呼することも多々あります。
また、ドリンクのオーダー時も同じです。
近年では配膳ロボットやスマホを使ってテーブルでオーダーできるシステムの導入も進んでいるため、意欲のないホールスタッフの必要性は年々なくなりそうですね。
繁盛店のオーダーは聞くだけでなく提案まで
一方、繁盛店のオーダーの取り方は、まずこちらのオーダーを聞き、その後、お勧めメニューを提案してくることもよくあります。
ドリンクのオーダー、お代わりのオーダー時も絶妙なタイミングでオーダーを取りに来ます。
また、すでにオーダーしたフードメニューを確認し、それに合うオススメのドリンクを提案してくる店もありました。
その他、ホールスタッフに限らずとにかく視野が広いのも特徴と言えます。
こういった行動は、客単価の向上にも繋がるため、繁盛しない店との売上の差は開くばかりです。
3.繁盛店と繁盛しない店の売り方の差
繁盛している飲食店は、フードやドリンクなど単に商品だけを売っているのではありません。
商品とその価値を一緒に売っている場合が多く見られます。
商品価値を生む要素は以下のようなものがあります。
- 商品の提供の仕方
- 商品の演出
- メニューのキャッチコピー
- 空間の演出 など
多少商品価格が高くとも、ホールスタッフやキッチンスタッフがその商品価値を上げることで、その高さを上回る「満足感」を得ることができます。
店全体で共有すべき情報量が違う
ざっと挙げましたが、繁盛している店はホールスタッフの接客レベル含め仕事への意識が高く、すべてにおいて店全体で徹底されている様子がわかります。
ブランドコンセプトやブランディング、行っているマーケティング、セールスに至るまで、店全体で共有すべき情報量は多く、しっかり同じ方向を向いています。
徹底しているからこそ、客と直接関わるホールスタッフにまで浸透している、繁盛すべくして繁盛しているのです。