クライアントの事例

売上を47%アップさせた ラーメン屋の改善事例

約1年前、相談を受けた北九州エリアのラーメン屋さん。

以来前にご自身で行っていた施策として
・空いた時間にアルバイトによるビラ配り
・会計時にショップカードを渡し再来店を促す
との事でした。

売上等の現状、半年後、1年後の目標売上やどういう方向に目指したいのか、その他諸々をヒアリング後、折り合いが付いたので早速改善案を作成。

ラーメン屋さんの売上を上げるために止めたこと

・ビラ配りを中止
・ショップカードを渡すのも中止

ビラ配りを中止にした理由

ではなぜ、オーナーさんが知恵を絞りご自身なりに良かれと思って行っていた施策を中止にしたのか?

僕はビラ配りやショップカードを配る事自体にとは言っていませんが、現時点でのそのビラの内容並びにショップカードの内容、実際の費用対効果を考慮し、ただ【お金を捨てている】と判断した為、容赦なく中止しました。

ビラ配りは印刷コスト、配る時間に対して、大半が無駄になります。

その辺に歩いている方が必ずしもラーメンを食べたい、おなかがすいているとは限らないにも拘らず「〇〇ラーメンです、よろしくお願いします」と言われたところで、じゃあ今から行きましょうかとなる確率がどれほど低いかは配っている本人(雇っているスタッフ含め)がすでに気づいているはずです。

そもそも何の為にそれらを行っているのか?本来の目的、そしてそれに期待する効果が見られないのであればお金を捨てている状態と変わりません。

どうしてもビラ配りでたくさんのお客様を集客したいのであれば、「どんな方がどのタイミングでラーメンを欲するのか」を理解し、「該当する方がたくさんいる場所」で行うようにしてください。

\その悩み、打ち明けてみませんか?/

効率の悪い集客手段は、せめてテスト段階で気づき、あたらな施策導入の検討を強くお勧めします。

ショップカードを渡すのを止めさせた理由

同じく、現在行っていたショップカードの配布も止めて頂きました。

理由は以下です。

顔がわかるリピート客の会計時にショップカードの提示を促すと、多くが持ってきていない(多分捨てているでしょう。)

月間どれほど配り、どれほどのリピート客がそのショップカードを提示してるのかすら把握していない(施策に対しての反応すら数値化しないなら何をやっても同じです。)

まず、このラーメン屋店主は集客やマーケティング云々以前に、このマインドセットから変えないことには何も始まりません。

これまでの考え方、実際の行動自体を改めて頂かないと、同じことを繰り返すだけと判断したためです。

つまり、これまでよかれをと思って行っていた「ビラ配り」「ショップカードの配布」はあくまでも自分が何かやって頑張っているという思い込み、エゴとも言えます。

この記事を読んでいる方の中には「せっかく本人が頑張って行っていることなのに酷だなあ」と思うかもしれません。

ですが、私たちマーケティングジムは、効率が悪すぎる、効果がない施策をやり続けてもらうほうが酷だと思います。

それよりも、思考から改善し、売れるラーメン屋にのしあげて店主、お客様の両方に喜んでもらう方が最善だと判断したためです。

ラーメン屋さんの売上を上げるために行ったこと

これも何かの縁です。関わったからには、徹底的に追求し、改善、結果を残すのが私たちマーケティングジムの仕事ですので、ヒアリング時に伺った半年後の目標、1年後の目標を必達するため、様々なことを変えていきました。

クライアントであるこのラーメン屋店主の利益保護のため、その中の一部を紹介します。

ラーメン屋だけでなく、定食屋など低単価の飲食店の方は参考にして頂ければ幸いです。

理論上、客単価や回転率などの数字ももちろん大切ではありますが、数字だけ理解したところで売上が上がるわけではありません。

「で、何すんの?」が大切ではないでしょうか。

①フレームワークを利用した分析で現状を知る

まずは、分析です。知らずして戦うほど非効率なことはありません。

分析というと多くの方は「大げさな」「企業さんがするもんじゃないの」なんて呑気なことをいいますが、規模大小問わず、ビジネスでは必ず行うことです。

  • 外部環境で何か影響がないかを知るためにPEST分析
  • 顧客の属性や傾向、競合他社がどんなことを行っているか、現在の自社を知るために3C分析
  • 競合他社との競争優位性を明確にするためにVRIO分析
  • 自社の収益に関わる影響を把握するためにファイブフォース分析
  • 強みと弱みを理解し何を武器に戦っていくべきかを検討するためにSWOT分析

分析後にわかったこと(利益保護のため一部のみ抜粋)

  • 隣のエリアに新店(ラーメン屋に限らず)の出店ラッシュが続き、人の流れが以前と少し変わっている
  • 競合他社とするラーメン屋1店舗以外は正直大したことをしていない(これはこれで非常に助かる)
  • ランチタイム、ディナータイムの売上減少の原因の1つが、近くにある定食屋の影響の可能性がある(ライバルはラーメン屋だけではない)
  • 近隣の競合他社よりもラーメンが50円安い
  • 近隣の競合他社の一部にはあって、自社にはないものがある
  • 安さは好評だがトータルでは顧客満足度が高くない(理由も回収済み) などなど

②ブランディングとポジショニングを変更

やるべきことをやっていなかったこのラーメン屋の店主。

本人のこれを機に変わることを受け入れて頂いたところで「このラーメン屋のブランディング」と「以前からのなんとなくなポジショニングの変更」を行いました。

ブランドイメージを作るしかけもなく、なんとなくふわっと営業していても、お客様からしたら他の店と違いがよくわからない。

更には、特に選ぶ理由も少ないのであれば、結果、ただの「ラーメン屋」でしかありません。

具体的に紹介したところではありますが、ここもクライアントの利益保護のため内容は伏せさせて頂きます。

「ブランディング?うちラーメン屋やぞ!」と考える方、非常にもったいないですね。

  • 一蘭と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべますか?
  • ラーメン 二郎と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべますか?

あなたが上記の2店を聞いて、思いうかべることもしくはその2店を知らない方にわかりやすく簡潔に教える内容=その店のブランディングの効果とも言えます。

ブランディングを確立させ、競合他社と差別化できれば、たとえラーメンの価格が高かろうと売れます。

逆にできなければ、そのラーメン屋のイメージの浸透も悪く、価格でしか違いを出せない状況に陥ります。

実際に、〇〇ラーメン一筋で長年やってきた店主のこだわりがあってもそれが活かされなければ、結果、店主を様々な問題で悩ませてしまっています。

〇〇ラーメン=〇〇な店というイメージを広めるべく活動と同時に、以前のポジションから少しスライドしてあるポジションに変更することで、これまでの顧客の満足度を上げつつ、新たな属性の客を受け入れることに成功しています。

あと・・・・スタッフのユニフォームと店内での「勢い」を変えました。

③テスト期間を設けて新メニューの開発

この件に関しては主にこのラーメン屋の顧客満足度を上げるべく施策です。

読んでいる方の中で「売上が低迷しているから新たなメニューを開発する」といった安易な考えだけで取り入れるのは・・・止めた方が良いと思います。

分析結果のもと、必要だったため今回は新メニューの開発にしています。

また、まずは期間限定として打ち出して検証、反応を見て改善を行い、のちに通常メニューの1つとしました。

④どうしても店主がやりたいショップカードをデジタル化

昔からやっているショップカードですが、ほとんど機能していないのが現状。

店主のこだわりは尊重したいので、アナログですぐ捨てられる(厳しく表現していますが事実です)、忘れられるショップカードをデジタルに変更しました。

無料でも利用できるLINE公式アカウントを開設し、その中の機能の1つであるショップカードを採用。

来店数に応じて特典を用意し、ランクアップも取り入れています。

⑤店主の「好き」をコンテンツ化

この店主は根っからのラーメン好きで、様々なラーメンを暇さえあれば食べ歩いています。

これまで行った店はすべてスマホで撮影、保存していたため、間接的な集客経路の1つとしてコンテンツ化して利用しました。

  • Instagramの個人アカウントを新たに開設
  • 「ラーメン屋店主がまた食べたくなる〇〇県内のラーメン紹介」アカウント
  • 本人が微妙だとおもった店は一切載せない(他社を批判しない)
  • 自店のラーメンのことはストーリーズでの投稿のみ
  • 投稿のサムネ画像(一枚目の画像)のデザイン徹底
  • 投稿リズム徹底
  • キャプションのテンプレート化
  • 投稿内のキャラ、口調の統一 など

そのエリア界隈での認知が広まり、このアカウントの人が営んでいる店=〇〇ラーメンとして認知拡大に成功。(これがもともとの狙いです)

「ラーメン狂の人が作るラーメンってどんなラーメンなんだろう」から新規客の集客へと繋がりました。(アンケート結果や来店者からの声掛けの結果による)

新たに取り入れたことの最適化を繰り返した結果47%の売上アップに繋がった

今回この事例記事を通じて、私たちが伝えたいのは「事業の大小関わらず、分析や検証、改善を怠るべからず」です。

知ることで今までに気づかなかったことがたくさんあります。

また、新たに取り入れたことに対しても検証期間を設け、取り入れたことでどう変化したかに目を見張り、改善すべきか、そのまま取り入れるかを判断します。

例え売上に直結しないことでも同じです。

なんとなく、やりっぱなしはどんなビジネスであっても非効率や無駄、もったいないを生むことに繋がりかねません。

この記事を読んだ方は、「なんとなく」「やりっぱなし」といった考え、行動は捨て、今より前に一歩進んだ考えに変わることを願っています。

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