これまで何年も第一線(売り場・現場)で接客・販売をしているあなた。
若い時は良いですが、遅かれ早かれ展開しているブランドや客層によって時期は異なるもののいつかは売り場・現場から退くタイミングがあると思います。
ここでは、あなたが第一線から退いてもしっかり売上を作れる販売員の育て方をシェアしようと思います。
売る販売員を育てる事であなた自身はこうなります。
セールスは現場に任せ、安心してマーケティングやバイイング、経営に専念できる。
では逆にいつまでたっても現場に立つという事はどういったことでしょうか?
結論から言うと「部下が思ったより育たず、いざ現場から退かなければいけない状況下に置かれたとき、長期間にわたりロスを受けることになる」という事です。
あなたが長年かけて積み上げてきた売上、顧客との信頼関係はあっという間に崩れ、あなたにとっての長年がほんの数ヶ月、数年で崩壊する。そうならない為にも「売る販売員」の育成は今すぐ取り掛かるべき事です。
「売れる」ではなく「売る」販売員
あくまでもウエイトを置くのは「売れる」ではなく「売る」販売員を育てるという事。
ここで定義する「売れる」販売員とは、単に商品を売り、売上を上げる事ができる販売員です。
こういった販売員も必要ではありますが、長期ビジネスとして必要なのは「売る」販売員だという事です。
「売る」販売員とは
「売る」販売員とはどういった販売員なのか。
それは「様々な角度からサービス(商品)を売上に結びつける事ができる販売員」を指します。
「売れる」販売員は「売る」販売員の要素のほんの一部でしかないという位置づけでイメージしてください。
「売る」販売員の育て方
店舗規模によって若干異なる事もあると思いますが、必ずしも店長=売る販売員というポジションでなくとも良い思います。
店長=「現場においての指揮官」であり、来店した客の動き、商品の売れ行き、VMDの機能の有無、部下の動き等営業時間において様々な点において目を見張らなければいけません。
2番手のスタッフと意思の共有をしつつ「指揮官」というポジションの方が双方においてより活きるケースが多く見受けられます。
売る販売員のマインドセットとしては売上に直結的、間接的問わず、先述した「様々な角度からサービス(商品)を売上に結びつける事」を常に頭において動く事。
この「売る販売員」を育てる方法としては実に簡単な事でありますが、これを理解しておかないと機能しないでしょう。
「新人のように1から10まであなたの言動、行動の意味を把握、理解させる」
アパレルの様な対面の販売の人材を育成するにあたり、新人を教える時は細かく意味、理由付けをし指導するにも関わらず、中堅以降になるとどうしてもすべては語らず、「後は背中を見て育て」のような「感覚」的指導にシフトチェンジしがち。ファッションにおいて感覚ももちろん大切な要素ではありますが、この感覚的指導が後にあなたとの感覚に隙間が生まれ、あなたが思い描いたような販売員が育っていない状況に陥ってしまいます。
することは簡単な事です今日から、あなたがする事に細かく理由付けした指導に変える事。
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「売る販売員」の最低限の4つの要素
1.VMDの変更、テストを瞬時に行う事が出来る
1週間、半月と長い期間で縦に売るディスプレイ、セールスはもちろん並行して行うものの、気温の変化や、つい先週まで好調だったVMDが急にうまく機能しなくなった時に素早く動ける判断力を持つこと。
上の指示だけに全て従うのではなく、「この様な状態だからこういう風に対処した」というような例え事後報告であっても売上につなげる事が出来る人材であること。
なぜVMDの変更、テストの項目を第一に挙げたか。それは、「時間は元に戻せない」ただそれだけです。
「せっかく上司が作ったVMDだから」「こうした方が売れるのになぁ」と思うだけならだれでもできます。肝心なのは1日の営業時間という限られた中で瞬時に判断し、行動に移せる判断力を持たせる事が必要不可欠です。
2.計画的な行動とビジョンを据える事が出来る
あなたがすでに第一線から退き、主にマーケティングを中心としたポジションにいるとしましょう。
例えば、オフィシャルのブログやインスタグラムである商品のコンテンツを配信した。そこでその商品売ることが出来る販売員はしょせん「売れる販売員」であり、その商品を用いてより多くの、より多額の商品を関連付け、セールストークと提案の仕方を最適化し、全スタッフに落とし込む事が出来る人材であること。
これはブログやSNSなどあなたのコンテンツやマーケティングの手法が優れていればいる程重要な要素です。マーケティングとはセールスを楽にする方法の1つでありますが、せっかくあなたが楽にしたところで第一線にいる販売員がそれを最大化する事が出来なければ何の為に行っているか意味がありませんね。
また、計画的な行動とは、その場その場をしのぎ売上をとっていくのではなく、週間、半月、月間で見直し、アップデートを繰り返すことです。
先述したように「時間は元には戻らない」。これだからこうすればよかったなんて単なる結果論であり、その結果に基づいて来月に活かすなんて時間と人件費の無駄と思ってください。
週間、半月、月間とスパンを区切り見直させることで些細な変化にも敏感になり、打開策を考えるようになります。
3.まともな報告書が書ける
まず、ただ単にマニュアル通りに売れ筋や薄っぺらい考察だけ書いてあるような週報、月報は受け取るのをやめてやり直させてください。
2項で挙げたように、週間の考察に対して翌週の計画が練られていない週報は週毎の変化に対してどのように行動したか、また月間の良い点、悪い点を踏まえて翌月の計画のみの月報は通過点(週毎に)どの様になっておくべきかまで最低限残す材料として報告のレベルを吊り上げるようにしましょう。
また、後日あらためてその報告書を読んで状況が把握できない報告書は単なる紙切れを思うほど濃い内容のものを提出させるようにしましょう。
4.信頼性と統率力に長けている
次世代のナンバー1を育成するには、単なる売上を作れる販売員だけではなく、上下間の信頼性に富んだ能力並びに例え最年長でなくとも店全体を引っ張っていける統率力に富んだ能力を持つ者でなければいけません。
信頼をおけるスタッフを育成するには、週末や大きなイベント時にそのスタッフに店を任せてみることが最も早い育成法です。大事な局面で責任を持たせる場を設け、それを繰り返し行うことでスタッフも場慣れしてきます。徐々に日数や重農なイベントを任せることでスタッフ自身の責任感は身についていくものです。
ここで肝心なのは「後は肌で感じろ」と言わんばかりの放りっぱなしの育成はしないことです。この方法は、あなたとそのスタッフ間で少なからず意図としている点にズレが生じます。
週末のポイントは何か、イベント時の全体の動きの注意点など、細かく擦り合わせて対処しましょう。
反復することで店内におけるトップはそのスタッフと位置づけされていきますので、統率力も次第についていく事でしょう。
後は定期的にスタッフ同士でご飯に行かせるなり、スタッフ間のコミュニケーションをとらせる場を設けていく事も大事です。
時には瞬発力、時には計画力、時には自己判断力。
「売れる販売員」よりも先に「売る販売員」の育成を。
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