クーポンを配り、使ってもらっただけになっていませんか?
美容院、ネイルサロン、リラクゼーションサロンなど近年ではすっかり当たり前となったクーポン施策。
あなたはその後きちんと活用できているでしょうか?
初回を格安料金で利用できるお客様。
そして、見込み客から初回来店に繋がった店舗側。
問題はその後どうしているかで今後の売り上げに左右します。
残念ながら、この状態で終わり「クーポンキラー」に悩んでいるままの方もかなり多いようです。
大手ポータルサイトに掲載し、初回特典狙いのいわゆるクーポンキラーに悩みご相談いただいたクライアントさんもこの状態でした。
ではなぜこのような問題にぶち当たるのか。それは、、、
クーポン利用で来店された新規客からリピート客へ育てる仕組みの有無
せっかくポータルサイトから集客した新規客に対して、ポータルサイトのシステムやサービス外で何も行っていなければ、リピート率が低いのは当然です。
新規客の集客方法はお店それぞれあっても構いませんが、そこからいかに2回、3回できる限り短い期間で来店してもらい、店に定着してもらう仕組みを整えなければ、いつまでたってもこの「クーポンキラー客」の悩みは解消されません。
また、リピートする仕組みを確立すれば、安定した売上の確保ができる他、あなたが望む、上質な客層だけで経営することも可能になります。
ご相談時のクライアントの状態
ちなみにこのクライアントさんのお問い合わせ当時は以下の様な状態でした
- 大手ポータルサイトに掲載し、ある程度の新規来店はある
- そこからリピートする客がほどんどいない
- 1人あたりの新規客獲得コストが高い
- 価格競争に巻き込まれ、利益がかなり低く広告費の回収ギリギリのライン
- クーポンサイトに掲載しただけで終わっている
など。あなたも該当する点はありませんか?
「広告費の回収ギリギリのライン」と聞くと多くの方は残念そうに頭を抱えているようですが、マーケティングを行うものからすると、むしろ「イケイケライン」です。
なぜなら、新規客を広告費と利益トントンで獲得し、その新規客にリピートしてもらえるようなマーケティングプランを組み立て2回、3回、固定客へと育成をしつつ、顧客離脱を出来る限り防ぐ仕組みを整えれば、次第と売上は上がっていくからです。
それではこの状態から抜け出すためには何を行っていくべきでしょうか。
クーポン利用者からリピート客へとランクアップさせるまでの手順
マーケティングジムでは、今回のクライアントさんにこの様な流れでマーケティングを行いました。(その一部)
- 新規客の顧客リストの回収の徹底(既存客でも回収していない方も含む)
- 顧客のランク分けの定義決めとセグメント
- ランク別に行うマーケティング立案とテスト
①新規客のリスト回収の徹底
リピートする仕組みを構築するには、リストの回収の徹底、顧客リストの管理が全てです。
こちらからアプローチする方法がなければ、何も提案できないだけでなく、リピート率も落ちていくのは当たり前です。
新規客の集客をポータルサイトで行っている方はもちろん、それ以外から来店した全てのお客さまのリストの回収を1人残らず徹底的に回収します。
もちろん私が現場に立っているわけではありませんので、実際にはクライアントさんもしくは現場のスタッフにリスト回収を行っていただきます。
リスト回収時必ず取っておきたいデータ例(非クーポン客も同様)
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 職業
- 趣味(いまハマっている事)
- 特徴
- オフライン客かオンライン客か
—(飲食店は最低ここまで、美容院、ネイルサロン、マッサージ系などは以下も)—
- お客様が抱えている悩み
- 状態(髪、爪、肌、体)
- 施術中の会話した内容
そのお客様のことがわかればわかるほど良いです。
②顧客のランク決めの定義とセグメント
顧客リストの回収は日々行っていきますので、同時に、店の顧客のランク決めの定義とセグメントを行っていきます。
顧客のランクを決める定義はお店のそれそれですが、念のために例を挙げておきましょう。
購入金額 | 購入頻度 | 継続購入期間 | |
VIP(プラチナ) | ◎ | ◎ | ◎ |
優良客(ゴールド) | いずれか1つに〇が該当する場合 | ||
固定客(シルバー) | いずれか2つに〇が該当する場合 | ||
新規客(ブロンズ) | 来店一回目の客層 |
こうして4層にセグメントし、それぞれランクアップ、ランクダウンするルールを定めておきます。
また、一定期間行っていると各ランクから来店から遠のいている状態の「休眠客」が出てくると思います。
その際は、各ランク毎に休眠客のセグメントまで行った方が、後にそれぞれに対した施策を行うため、より効果的です。
③ランク別に行うマーケティング立案とテスト
リストの回収、ランクの定義とセグメントの仕組みを整えたら、今後各ランクに対して何を、どのような方法で、どれくらいの期間行っていくかを決めていきます。
いわゆるリストマーケティングの内容決めていく作業です。業種問わず、アイディア次第で様々な内容を生み出すことができますので、店のイメージやコンセプト、客層に沿って考案していきます。
いくつか例を挙げておきますので、参考にして下さい。
尚、例①~③は全ランクに対して行うことができます。
例①誕生日月にバースデーの案内
バースデー特典をつけたり、お祝いのメッセージのみなど顧客のランクやお店の方針に応じて内容を決めましょう。
リストを用いて行う場合はアプローチ方法として「メール」や「DM」があります。
バースデーメール(DM)を送る際のポイント
バースデーメール(DM)を送付する際、マーケティングジムでは以下の様なルールにしています。
- 誕生日月に送るのではなく、お客様の誕生日に届くようにする
- 特典を付ける際は誕生日から1ヵ月などの期限を設定。(誕生日月が特典期限ではありません)
- バースデーメールの際は3ステップはやめる
- 誕生日月や誕生日直前に来店された際は本来準備していた特典を採用する
※ちなみに以前からのクライアントさん(美容室)では、バースデー特典期間に(直前来店含む)来店したお客様はにはアシスタントがダッシュでケーキを買いに行くという「恒例ダッシュ」のサプライズプレゼントがあります。(Kamishin案)
例②○○会員・サロンのポイントお知らせ
これはクライアントさんと打ち合わせしてルールを作成します。
ランクアップ制の会員
各ランクに応じて特典を付けるのもよいでしょう。ある美容院のクライアントさんはゴールドまでは何も特典すらないです。またあるエステサロンのクライアントさんはランクだけで特典はどのランクもかわりません。お店に応じてルールを決めましょう。
肝心なのはお客様に「ステータス」を与えて優越感を与える事です。
サロンのポイント制の会員
来店毎のポイントや金額によるポイントなどそれぞれ店舗ごとにルールは異なります。
- 現在〇ポイント
- あといくつでどのようなメリットやサービスがある
- 有効期限が迫っている
などの内容を含んだメールを送付します。ポイント〇倍などのイベント内容も良いですね。
例③出会って〇周年記念のお知らせ
お客様の初回来店からカウントし、1周年、2周年などの「あなたと私の記念日」をお知らせします。
1、2年と繰り返し御贔屓していただいている大切なお客様です。そのそれぞれのお客様が喜ぶようなオファー(特典)もつけて特別感を演出します。
例④新規客から固定客のランクに対して
新規客や固定客ランクなど、まだいつ離脱するか不安を与えるような層に対しては、以下の様なアプローチで定期的な接点を持つことも大切です。
- 来店3日目にサンキューメール(DM)を送付(業種問わず)
- 来店30日目、お客様の趣味の話題や会話した内容に触れ、悩みや状態に関するアドバイスした内容のメール送付(業種問わず)セールスは出来る限り行わない。
- 来店60日~90日後、ビッグオファー(いかないと損をするような特典)を添えたメールを送付
ビッグオファーメールを送る際は以下の様なポイント押さえることで来店率はアップします。
関連記事>>1人あたりたった182円で集客し売り上げる3ステップDM
この記事は休眠客への内容ですが、ビックオファーの際も効果的です。そしてこの3回のアプローチは最低限のアプローチです。ちなみにこの間に来店されたら、カウントは最初に戻します。来店されない場合は「休眠客候補リスト」へセグメントします。(振り分けます)
ここまでが新規客から定着客(早期3回来店客)までのリストマーケティング(一部)です。
マーケティングコストは見込み客、新規客から定着客まではある程度かかるのは当然です。
複数回来店させる仕組みがなければ、見込み客、新規客だけの為に広告(マーケティング)コストを使い続けるだけですので、必ずリピートしてもらう仕組みを構築しておきましょう。
来店が止まり休眠客候補から休眠客へとセグメントしたら「休眠客の呼び戻し」を行います。
定着客(3回以上来店)からはこのマーケティングの仕組みに更にイレギュラーのパターンを組み合わせます。
リストマーケティングの際に気をつけたい3つのポイント
- リストマーケティングを行う際、気をつけたいのは「毎回セールスだけの内容にならない事」
- お客様がそれを見てベネフィットまで落とし込んだ内容にする事(その商品、サービスを買うことで得られる状態や感情)
- お客様属性ごとにセグメントし、それぞれの属性に沿った内容を使い分ける事
この様に「リピートする仕組み」を作り、クーポンを使うお客様=「今後あなたの売上に貢献してくれるお客様」となるようしっかりと整えてからクーポン施策を行いましょう。
もちろん、最初はプランを練り、テストし、改善し、またテスト。常に改善点を探すことでよりあなたの店に合った方法が見つかりますよ。
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