もっと自社のサービスや商品を売りたいあなたへ
エステなどの美容系セラピスト(エステティシャン)、リンパケアセラピスト、アロマセラピスト、リフレクソロジストなどの施術系セラピストなど、施術サービスを売るセラピストにも様々なジャンルがあります。
これらどのジャンルのサロンでも、誰もが皆、客単価を1円でも上げたい、売上を伸ばしたいと願っています。
しかし、高い施術スキルを持っていても、売れないセラピストが多く存在するのも事実です。
- 良い商品やサービスなのになかなか思うように売れない
- 複数点の商品やサービスを売って客単価を上げたい
これらの悩みは願望を持つあなたに、理解しておいて欲しい売れる人の特徴と売りたいものを売る方法を解説します。
サロン系のビジネスでなくとも当てはまりますが、売れない人の特徴に当てはまってないかこれを機に確認しましょう。
商品やサービスをうまく売れない人の特徴
うまく売れない人にはいくつか共通した特徴があります。
- 商品やサービスそのものを売ろうとするため、接客の大半が商品、サービスに関しての内容
- 売るタイミングと人が合っていないことに気づいていない
- セット売りを試みるもなかなかつけることができず、最後はパワープレイ
- 結果客単価、セット率は低く、顧客数も少ない
- 顧客属性は押しに弱いタイプもしくはM気質が大半を占める
これらの特徴に多くあてはまるほど、実際の個人売上は悪く、顧客もしっかり付いてこない傾向にあります。
売れない人ほど、商品やサービスを売ることに執着し過ぎており、お客様が出すサインは見落とし、その奥にある真の悩みもくみ取ってあげることができてない状態です。
商品やサービスをよく売る人の特徴
一方商品やサービスをよく売る人の特徴は売れない人の逆ではありますが、以下のような共通点があります。
- 接客時に話す際、商品やサービス以外の内容の話が大半を占めている(信頼関係の構築)
- 売る人ほど自ら話すよりも相手の話を聞く、相手に話させる(その時点でのニーズの把握)
- 売る人と売るタイミングがしっかりあっている(ニーズ、ウォンツ共に高めてから売る)
- 商品やサービスと一緒に価値まで売っている(商品価値の引き上げ)
これらの特徴を持つため、実際の個人売上額は高く、抱える顧客の質も良い傾向が強くあります。
売れない人とは異なり、売れる人はただ接客スキルが高いだけでなく、戦略的にお客様とのやり取りを成立させています。
以下、僕の昔のたわいもない話ですが、聞いてやってください。
僕は売るために売らない
Marketing Gymの代表である僕、神崎は何を隠そう、昔は小売業の販売員をしていました。
若いころから靴、洋服、バッグ、アクセサリーなどメンズ、レディース双方の販売を経験しています。
僕は残念ながらイケメンではありませんし、特別な能力を持っているわけではありませんが、正直な話、どんなモノであっても比較的簡単に売ることができます。
アパレルに限らず、保険を売って欲しいのであれば、保険を、不動産を売って欲しいのであれば、土地や家を、車を売って欲しいのであれば、車を、、、、、
ある程度の商品知識さえあれば、その辺の売上に伸び悩んでいる人よりもぽっと出の僕の方が売る自信があります。
僕自身、実際に商品を売る際、接客時のトークの内、80%以上その商品の話をしていません。
その他の大半の時間は以下です。
- その人が抱える問題の言語化
- その人自身を知り、信頼関係を築くためのコミュニケーション(共感、親近感)
- その人が求めているニーズの把握
- その人の真の問題の発掘
接客中に必要であれば、その時に商品の話をしますが、極力商品に関しては触れません。
以上の4つの行動を行って、さらに以下の2つを売ります。
- 自分を売る
- 商品価値を売る
この行動が終わった後、初めてその商品のセールスに移ります。
商品のセールスに移った時点で、買うか買わないかではなく、どれだけ買うかといった具合です。
僕の接客はセールスではなく、「おしゃべり」と言った方がふさわしいかもしれませんね。
継続購入期間が長く、客単価が高いのが、当時数多く抱えている顧客の特徴です。
怪しいもの以外なら何でも売ることができる
試しに色々と売ってみましたが、まあ売れるものですね(笑)
あるクライアント様がプライベートで不要なものを処分するために、蚤の市に出店することがありました。
その際、遊び半分ですがお手伝いさせていただき、希少価値は、、、、、ない食器、茶器、壺など、設定した値札を剥がし、2倍の値段を勝手につけて全部売り切ったこともあります。
定期的に蚤の市に出店しているわけではありませんので、さすがにベネフィットまでは提示しませんでしたが・・・
さて、余談はこれくらいにして、美容系、施術系セラピストの場合、どんなことをすれば売りたいものを売れるようになるのでしょうか。
リンパケアのサービスを確実にたくさんのお客様に売る方法
では、例としてリンパケアのサービスを提供しているサロンの場合を挙げてみましょう。
サロンのコンセプトや狙うターゲット、サービス内容によって若干異なりますが、大枠はそのまま応用できます。
以後、売る流れとして対象を新規客としていますが、これは新規客はじめ、サロンの全ての顧客に該当します。
①ヒアリングを通じてその客のことを深くまで知る
サロンのジャンルが何であれ、最初にヒアリングを行うと思いますが、より確実にしかもたくさんのお客様にリンパケアのサービスを売るためには、この来店後のヒアリングを最適化することが必要です。
売上が悪いリンパケアサロンでは、このヒアリングの内容が「体の状態に関してのみ」の場合が多い傾向にあります。
- どこが不調なのか
- どのような時にそう感じるのか
など、その方の体の状態に関してのみヒアリングし、体の状態以外のことに目を向けておらず、来店したから必要としているだろうというサロン側の勝手な解釈により来店に至ったすべての新規客に対して、一括して同じ行動を取っています。
来店したすべての新規客=「リンパケアを必要とし、このリンパケアサロンのリンパケアを受けたい」△or×
とは限らないことに、サロン、セラピスト共に気づいていないことが深刻な問題です。
これが売れないサロン、セラピストの特徴でもあります。
例に挙げているリンパケアサロンだけでなく、エステサロンやアロマセラピー、リフレクソロジーなど、すべてに該当しますので、ご注意ください。
上記のように体の状態を知ることももちろん大切ですが、知るべきことはもっとたくさんあります。
- 来店したきっかけと来店経路(サロンを認知した場所/媒体と予約までの行動)
- 来店に至った理由(行動を起した要因)
- 現在何で困っている、悩んでいる、不便に思っているか(現状の問題把握)
- 普段の生活環境や行動パターン(問題を起こす原因の把握とまだ気づいていない問題の発掘)
- 問題を解消してどうなりたいか(リンパケアを通じて描く願望の把握と潜在ニーズの発掘)など
売れるサロン、セラピストは先述した特徴にもあるように、上記の情報を発掘し、お客様に寄り添う行動を取ります。
サービスを複数回受けている顧客であっても、その時々で生じる問題や悩みもあります。顧客のことを知るという行動は常に行ってください。
②来店の瞬間から常に信頼関係を深める行動を取る
初めてこのリンパケアサロンに来店した新規客は、サロン自体、担当するセラピストに対しての信頼はまだ浅い状態にあります。
- 共感(感情の共有)
- 同調(態度や行動を合わせる)
- 相手の信頼(自己開示や相手へ興味関心)
などの行動、態度を取り、これから常に信頼関係を高め、築き上げます。
信頼関係を深めることは、来店した際だけでなく、今後のコミュニケーション全てです。(接客、メールなど)
売れないサロン、セラピストはこの信頼関係を深める行動をあまり取らず、ただサービスを売ろうとしてしまいます。
一方、売れるサロン、セラピストは相手との信頼関係を深めることに注力しています。この違いが売れる、売れないといった差を生んでいます。
③サービスだけでなく、サービス(商品)と価値を同時に売る
そのお客様のことを深く知り、信頼関係を深めながら、実際にサービスを売りますがこの際に、売れる、売れないサロンやセラピストの差が生じます。
- 売れないサロンやセラピストはサービスや商品そのものを売る
- 売れるサロン、セラピストはサービスを売る際、一緒に価値まで売る
ベネフィットに関しては別記事にて解説していますので合わせて参考にしてください。
④サービスを販売「前・最中・直後・その後」常にサービス(商品)価値を高める
今回例として挙げているリンパケアサロンで言えば、サービスを売るタイミングは以下の4回です。
- サービス販売前(来店前、来店直後からヒアリングの時間)
- サービス販売際中(施術メニュー確定、施術を受けている時間)
- サービス販売直後(施術終了から会計、退店までの時間)
- サービス販売後(退店後から次回来店までの時間)
サービス販売前にサービス価値を高める
サービス販売前のタイミングとは、これまでに挙げた①~③の行動全てです。
また、新規客として実際に例のリンパケアサロンに来店する前のまだ見込み客の段階も当然含みます。
サービス販売最中にサービス価値を高める
サービス販売最中のタイミングとは施術メニュー確定、施術を受けている時間を指します。
例のリンパケアサロンに来店した新規客に、施術メニューを提案する際、施術メニューが決まり、実際に施術メニューを受けている最中もサービス価値を高める必要があります。
初めて来店した新規客は、担当するセラピストのヒアリングや行動により、来店前より少しずつサロン、セラピストのことを知っていき、提案する施術メニューを受けます。
受ける前までその施術の魅力を全て理解していない状態にあります。
そしていざ実際に施術を受けている時間、売れるサロンのセラピストは、そのお客様の体の状態をしっかり言語化して伝えます。
言語化して伝えることで、客自身も自分の体の状態がいかに良くないかを徐々に理解し始めます。
客自身が把握している不調箇所だけでなく、施術中にセラピストが実際の体を触ることで発見される不調箇所や不調を招く原因をセラピストの言葉と実際の体の感覚で更に理解します。
特に初めてのお客様は、自分の体の状態を全て知っているわけでなく、実際に痛い、辛いと感じている箇所の一部です。
セラピストが実際に、言語化してその箇所、さらには、その痛みや辛さを生んでいる根本的な箇所を特定して施術することでこの施術メニューの価値を更に上げます。
同時に、リンパケアのスペシャリストとしての圧倒的知識とスキルを客自身に体験してもらうことでセラピスト自身を売っていきます。
サービス販売直後にサービス価値を高める
サービス販売直後のタイミングとは施術終了から着替え、会計、退店までの時間を指します。
残念ながら売れないサロンやセラピストは、ちょっとした会話をしながら見送り、退店の時間を終えます。
サービスを受けた直後のお客様はどういう状態でしょうか。実際にセラピストの施術を受け、少なからず体は軽くなり、問題個所も緩和しているはずです。この絶好のチャンスをみすみす逃す、これが売れないサロンでありセラピストです。
売れるサロン、セラピストは施術直後からの時間を利用して「体験の確認」を行います。
- 受けた後の体の変化はどうか
- 受ける前との違いは何か など
施術により体験したことをそのお客様自身に言語化してもらうことで体、脳の双方で施術というサービスの価値理解してもらいます。
更には、セラピストが実際にそのお客様の体を触ったことで感じたすべてを「再度」言語化して伝え、サービス価値を高めていきます。
施術開始、施術後と反復することで、このセラピストによる施術価値をいっそう高めるためです。
同時に、繰り返し施術を受けることでのメリット、ベネフィット、通わないことでのデメリットを言葉で伝え、「このサロンに通う価値」を高めていきます。
サービス販売後にサービス価値を高める
サービス販売後のタイミングとはサロン退店から次の来店までの時間を指します。
売れないサロン、セラピストは、来て来てと言わんばかりのサンクスメールやその後のメールを送り続けます。
施術を受けただけの新規客は、思っている思っている以上にサロン、セラピスト、施術サービスの魅力や価値を理解していません。
価値があると感じていないところに、来て来て感の強いセールス色の強いメールが届くがゆえに、結果離脱する、これが売れないサロン、セラピストの行く末です。
これに気づいていないサロン経営者は、もっとコミュニケーションを取れとあれやこれやと接触を繰り返しているわけです。
一方売れるサロンやセラピストは、退店から数日後に先日の来店のお礼をサンクスメール(DM)として送付します。
その際、セールスすることはありません。
その後次回来店までの間、そのお客様の体の状態を心配し、少しでも体に不調がでないよう有益な情報を与えるだけです。
サロンやセラピストの理解の差が売れる、売れないの差を生んでいる
今回は、リンパケアサロンを例として挙げましたが、無形のサービスを提供しているサロンビジネスでも当てはまることばかりです。
売るタイミング、売る相手、売るものを間違えたまま売り続けることで、理解しているサロン、セラピストとの差は開くばかり、こうして売れるサロン、売れないサロンの二極化が生まれます。
施術スキルには自信がある、独立前のナンバーワンセラピストが独立後に思った以上に売れずに苦戦する理由の1つでもあります。
この記事を読んだ直後から、サロンの方針やセラピストの接客の見直しをお勧めします。
P.S お客様は不規則な動きや反応をするものです。特に初めてサロンを利用する新規客は、必ずしも一度の来店でサロンの魅力を理解するとは限りません。
見込み客の状態から自ら行動し、新規客へと変わっています。
これからいかに短期間で複数回(3回以上)来店してもらうかが今後のサロン定着率に強く影響するといっても過言ではありません。
多少のコストを払ってでも、まずはサロンの価値を理解、担当セラピストとの信頼関係構築、サロンの空間に慣れてもらうことに注力しましょう。