そもそも飲食店はエリアに同業他社がひしめき合っており、競争が非常に激しい業界です。
また、ヒット業態を生み出しても、あっという間に真似され、次第に埋もれていく・・・。
しかし、そのような中でも業績を伸ばす飲食店もいるのは、あなたも実感しているでしょう。
- どうしてうちは繁盛しないのか
- どうして近所の店は繁盛しているのか
Marketing Gymでは、経営者の方々とお食事する機会が多くあり、プライベートでも食べ歩きをよくするため、エリアは限られますが数多くの飲食店にお邪魔することがあります。
また、実際のいわゆる繁盛店の経営者様とお話しする機会も多く、ご相談頂く飲食店の方とはいくつもの違いが見られます。
今回は、繁盛している飲食店の共通点と、繁盛しない飲食店とどこが違うのかについて解説していきます。
現在、あなたが経営する飲食店の参考にして下さい。
①外部環境と内部環境の理解の違い(分析)
「分析?それってチェーン店とか大きな規模の店がやるもんでしょ?」
Marketing Gymにお問い合わせ頂き、ヒアリング時にこう言い放つ飲食店経営者様。
規模やビジネスジャンル問わず、企業の外部、内部でどんな環境に立っているのか把握することは、非常に重要です。
繁盛する飲食店は、店舗立ち上げ時だけでなく、定期的に外部、内部分析を徹底して行っています。
分析から判明した環境や問題、影響を踏まえたうえで、自店ではどのような戦略を取るかを考えて、実行しているのです。
しかし、この大切な分析を他人事のように捉え、自分は小規模だから関係ない、この思考のまま経営する自体でかなり危険であり、実際これに該当する方ほど、売上不振に陥っています。
簡単に言えば「知るべきこと」を知らないまま、一生懸命戦っている状態です。
スタートからすでに違いが出ていると言っても過言ではないでしょう。
②基礎戦略の設定の違い
環境分析の実行の差と同様に、基礎戦略の設定の差も繁盛店、非繁盛店の大きな違いを生み、差となります。
飲食業界内にはどんな市場があるのかを理解し、その市場を分ける。
そして自社はどの市場を狙うのかを決め、どんな立ち位置で戦っていくか。
これらに関してはマーケティングフレームワーク「STP分析」を用いると理解しやすいでしょう。
「うちは味に自身があるから」とちゃちゃっと出店立地を決め、出店して成功するほど世の中甘くないのが現状です。
③明確な店のコンセプトやブランディング・USPの違い
繁盛する飲食店はその店ごとに明確なコンセプトを持っています。
また、その店ごとに明確なブランドイメージを持ち、明確な売りを持ったうえで競合他社と戦っている状態です。
特にこれらは、経営していくうえで、非常に強固なものとなります。
強烈なブランドコンセプトやブランディング、USPは、後の新規客の集客はもちろん、リピート客の増加と定着率の向上を生みます。
そういった飲食店はここがしっかりできている場合が多いです。
一方繫盛しない飲食店は、コンセプトやブランディング、USPが不明確、もしくは、恐ろしくも決めていないといった場合も少なくはありません。
経営側が不明確であれば、消費者にも伝わらない、印象に残らない、イメージ付けができないのは当然です。
④安定した集客経路の確立の違い
繁盛している飲食店は、安定した集客経路を確立しています。
この集客方法が良い、今度はあの集客方法だという安易な取り入れ方ではなく、利用するものは磨き上げ、利用しないものは切り捨て精査しています。
- 食べログやポットペッパービューティー、ヒトサラなどのグルメ系ポータルサイト
- InstagramやTikTokなどのSNS
- Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
一方、繁盛しない飲食店は、これらに「ただ登録している、登録して少し運用したらやりっぱなし」の状態が多く見られます。
登録しない、運用しないよりはまだマシかと思いますが、やりっぱなしの状態のまま何か月、何年と放置するのは、自ら様々なロスを生み出している状態にあります。
- ある消費者が近くの焼き鳥屋をスマホで調べた。検索結果の中からあなたが営む、焼き鳥屋を見つけたが、外観や内観、メニュー、営業時間といった情報が乏しく、わからなかったので、そのページを閉じ、結果他の焼き鳥屋に予約した。
- また他の消費者はInstagram内でエリア+焼き鳥屋で検索したが、あなたの焼き鳥屋のInstagramアカウントを見つけることなく、他の焼き鳥屋のアカウントを見つけて、良さげだったので、プロフィールについている「席を予約する」をタップし、そのまま予約した。
上記の状況は、あなたが知らない所で日々起こっています。つまり機会ロスです。
もしあなたが、中途半端な登録や運用をしていなければ、そこから新規客が予約し、来店、もしかしたら気に入ってもらえリピーターとなったかもしれません。
知らず知らずのうちに、売上と新規客獲得の可能性を自ら放棄していることもよくあります。
⑤現場スタッフの理解と実行の違い
コンセプトやブランディング、USPなどブランドとしての方向性が定まっている飲食店は、それらが明確なため、実際にサービスを提供している現場で働いているスタッフにも浸透しています。
理解しているスタッフや、現場での立ち振る舞い、接客など消費者に提供するサービスすべてに落とし込みます。
- 徹底したおもてなし精神(状況の分析、行動力)
- 絶妙なタイミングでのオーダー取りやアップセル、クロスセルの提案
- ブランドコンセプトやイメージに応じた空間づくり など
一方、様々な方向性が不明確、定まっていない店は、理解しておらず、統一感もなく、すべてはそのスタッフ次第。
やる気のない、ただ時計だけチラチラとみて、時間が来たらすぐ帰ろうとするような意識の低いスタッフが顧客と最も近い距離にあるホールスタッフであれば、なおさらあなたの店のイメージ悪化にも繋がる恐れがあります。
※もちろんホールスタッフだけでなく、キッチンスタッフも含みます。
⑥現場(店内)での様々な仕掛けの違い
繁盛する飲食店は、コンセプトやブランディングに沿い、それぞれに応じた仕掛けを持っています。
- ブランドイメージに合わせたクリエイティブ(外装、内装から、メニュー表やポップのクリエイティブ、アメニティに至るまで)
- さりげなく全テーブルに設置されたInstagramのアカウント情報(QRコードなど)
こだわりは商品だけではない!繁盛店は「すべて」を売っている
正直な話、どんなに美味しい料理を提供することができるスキル(腕)があっても売れず潰れる店は全国、どのエリアでもたくさん存在ます。それと同時に、繁盛する店もたくさん存在します。
繁盛店は「商品だけでなく、売るべきものすべてを売る」、繁盛しない店は「ただ商品を売っている」この大きな違いが大きな差を生んでいます。
この差が結果大きな分かれ道となる
貫かれ、徹底した空間とサービスを体験した消費者は、こちらが頼まなくともSNSに投稿し、行くことでのステータスと満足感を覚えます。
頼まなくとも友人や家族、知人に口コミし、頼まなくともポータルサイトやGoogleビジネスプロフィールへレビューを記載します。
その店の存在を知った、その他のユーザーもそれらを繰り返す・・・・
繁盛する店は繁盛し、そうでない所はいずれ姿を消す・・・・根本的な原因を生んでいるのは、実はあなたの曖昧さかもしれませんよ。