エステサロンやリンパケアサロン、ネイルサロン、まつエクサロンなどなど、現在では様々ジャンルのサロンビジネスが存在しますが、見込み客へのアプローチや新規客の集客、リピート集客はうまくいっていますか?
今回は様々なサロンの「価値」や「メニューの魅力」を高める施策の1つである「モニター」について解説していきます。
一度来店した顧客のリピート率は高いが新規客の集客がうまくいっていない
という方は、モニターの施策も検討してみてください。
Marketing Gymでは、コンテンツのための素材獲得や継続的なサービス購入による状態変化のデータ収集としてのモニター導入と考えています。
必須の施策ではありませんので、選択肢の1つとして捉えてください。
モニターとは
そもそもモニターは以下の意味を持っています。
- 監視する(無線電波や放送、録画、録音状態)人、またはその装置
- テレビ局や新聞社などメディアから依頼を受け、意見や感想を述べること、またはその人
- 新商品の開発において、品質やサービスについて意見を述べること、またはその人 など
サロンモニターとは
サロンにおいてのモニターとは、上記3の品質やサービスについての意見を述べる人が該当します。
サロンのモニターはサービスやサロン全体の空間、システムなどを実際に利用した感想や意見を頂き、サービス向上や改善に充てるなどの目的達成のために使われます。
どれくらい?サロンのモニター価格
サロンでのモニター価格はいくらぐらいに設定した方が良いのでしょうか?
サロンのモニターの価格設定の考え方としては大きく2つ、あなたが払うか、モニターにもらうかのいずれかです。
- サロンのモニターとしての報酬を払う
- サロンのモニターに特別価格で提供する
サロンモニターに報酬を払う
サロンのモニターになってもらう代わりに、その報酬を支払います。
サロンのモニターをする=サロンモニターの仕事をすると捉え、拘束時間での時給制にしたり、モニター内容によって報酬を変えるなどがあります。
サロンモニターに特別価格で提供する
これといった価格設定の決まりは特にありませんが、プロパー価格よりは大きく下回る価格の方が適正です。
特別価格で提供する場合はモニター=消費者という考え方です。
選んだモニターには、自社に役立つ情報を提供して頂くお礼に、通常よりも安い価格でサービスを受けることができるメリットを与えます。
ただし、モニター価格を無料にする場合は、モニター選びとモニター条件をより厳格にした方が良いでしょう。
サロンモニター施策の募集(人選)と実行までの手順
サロンモニターを集め、今後一定期間サロンに協力してもらう人を選ぶ場合、以下の手順に沿って計画から実行してください。
①サロンモニターの目的を明確にする
モニターに限らず言えることですが、まずはサロンのモニター施策の目的を明確にします。
サロンによって目的は様々なため、いくつか例を挙げておきます。
- メニューのリニューアルや新機材導入につき、新メニューの開発のためにモニターに体験してもらい、改善材料とする
- 開業直前や直後のため、実際にサロンを利用してもらってサロンに対する率直な意見をもらい、各設定の見直しを図る
- ホームページやブログ、SNSなどのコンテンツのモデルとして利用し、よりリアルなコンテンツにする など
②サロンモニターの人選基準を決める
サロンモニターを集める目的が定まったら、次にサロンモニターの人選基準を決めていきます。
サロンモニターの人選基準の考え方として以下の2つが挙げられます。
- 客側か身内のどちらから選ぶか
- 客の中でもどの客層から選ぶか
客側か身内のどちらから選ぶか
サロンモニターを客側から選ぶのか、それとも家族、友人、知人など身内や客以外から選ぶのかを決めます。
別にこれと言った決まりはないので、両方から選んだり、内容によって使い分けるでも良いと思います。
客の中でもどの客層から選ぶか【こっちが重要】
客側から選ぶ場合、客の中でもどの客層からサロンのモニターを選ぶかが重要です。
客と言っても、まだあなたのサロンを利用したことがない見込み客、まだ若干数の来店、利用しかない新規客、すでに何度も利用している顧客と、客層は様々です。
見込み客や新規客の場合、あなたとの信頼関係がまだ薄く、サービスのニーズやウォンツが高いとは限りません。
信頼関係がまだ薄い場合、こちらの要望にうまく応えることができないこともあるでしょう。
顧客の場合、モニターにすることで「その人からの売上はモニターの期間中下がる」「モニター施策を終了し、通常の客にきちんと戻ることができるか」などといったことが生じます。
MG推奨 顧客からモニターを選ぶ場合の人選基準
マーケティングジムでは、顧客からモニターを選ぶ場合、以下の条件をお勧めしてます。
まずは、あなたの顧客リストを開いてください。(リストがない方は、施策以前に問題外です。すぐに作りましょう。)
次に以下のフィルターにかけ、モニター候補を選出していきます。
- 顧客ランクの中で上位ランクの顧客ではなく、中間ランクのリピート客
- リピートしているが、その来店頻度がハイペースでない
- あなた、サービスのいずれでなく両方を好んでいる
- 割引特典がある時のみに来店している方は除く
- 以前バースデープレゼントやサプライズにすごく感激した方
- 2者間のコミュニケーションがしっかりとれている
上記条件をすべて満たす顧客像=あなたの役に立つことにも喜んでくれる客の可能性が高い顧客となります。
あなたやサロンの魅力を十分知っている上位ランクから選ばない理由は、言うまでもありませんが、彼女らはそのまま売上に貢献してもらうためです。
また、一度モニターを引き受け、報酬や特別価格が非常に魅力的な場合、プロパー価格で払うことに抵抗する可能性も高くなります。
そのため、リピートはしているが、来店頻度がハイペースでない方を人選基準としています。
③サロンモニターのルールを決める
サロンモニターを利用する際、事前にモニターのルールを決めておくことも重要です。
ルールがなければ、人選したモニターによってはただお得にサロンを受けることができただけという協力とは程遠いものとなる可能性もあります。
サロンモニターのルール例
サロンモニターのルールには例えば以下のものがあります。
- モニターであることを他言しない
- モニター期間中に双方で定めた回数や頻度でサロンを利用する
- SNSに投稿する際、規定のハッシュタグとジオタグ(位置情報)を付ける など
それぞれのサロンによって、モニターを利用する目的は異なりますが、目的に応じた独自のルールを定めると良いでしょう。
④モニター施策を実行する
これまでの事前準備が整ったら、モニター施策の実行に移ります。
毎度お伝えていますが、施策を実行したら、定期的な計測、検証、改善は繰り返して最適化していきましょう。
サロンモニター施策を取り入れたクライアント様の事例
弊社マーケティングジムのクライアント様の内、数社このサロンモニター施策を取り入れた方がいらっしゃいますので、事例の一部としてご紹介します。
モニター施策を検討する方は参考にしてください。
ネイルサロン(プライベートサロン)のクライアントS様の事例
まずはマンション一室で小規模のネイルサロンを経営しているクライアントSさんの事例です。(以下、S様の許可を得た範囲で公開しています。)
ロケーションとして住宅街ではありませんが、一階部分はテナントスペースとなっており、上部はほぼ住居になっています。
繁華街からは少し離れていますが、周りに全く店がない訳ではありません。
プライベートネイルサロンS様のターゲット設定とプロモーション戦略
ターゲットはネイル可の職場で仕事をしており、仕事意識も高く、「できる女性(バリキャリ)」に興味を抱く20代後半から30代の独身女性で、日常の情報収集はInstagram内の検索とGoogleの検索、グルメに限っては地方メディアサイトによるブログやInstagramアカウントをチェックしている。
メインで行っているプロモーション戦略はInstagramによるコンテンツマーケティングとInstagram広告、Googleビジネスプロフィールの3か所から見込み客への認知拡大と新規客を獲得しています。
ホームページはあえて持たず、美容系ポータルサイトへの掲載もしていません。
プライベートネイルサロンS様のモニター施策の目的
クライアントS様がモニター施策を取り入れた目的は以下です。
- 様々なネイルデザインの参考アカウントとしてInstagramで投稿するコンテンツ素材獲得
- 〇〇な方の問題解決コンテンツ材料素材(クライアントS様の利益保護のため伏せます)
プライベートネイルサロンS様のモニタールール(条件)
ネイルサロンクライアントS様のモニタールール(条件)は以下で、独自でモニター人選をしています。
- モニターの種類(目的)に応じてモニター期間を決め、既定の回数サービスを利用すること
- ネイルの種類、デザイン問わずプロパー価格の70%OFFで提供し、オフ、爪のケアはそれらに含むこと
- 来店後、任意のタイミングでInstagramに投稿すること(指定ハッシュタグ、ジオタグ付き)
- モニター価格であることは他言しない
プライベートネイルサロンS様のモニター施策の結果(公開許可範囲内)
モニターを目的別に複数人採用し、設定した目的通り、多くのコンテンツ素材を獲得しました。
モニターさん自身からは利益を生んでいませんが、獲得したコンテンツ素材を利用し、Instagramからの新規客獲得数の増加、フォロワー数の増加に繋がっています。
小規模リンパケアサロンクライアントD様の事例
続いては、小規模リンパケアサロンクライアントD様の事例です。(以下、D様の許可を得た範囲で公開しています。)
ロケーションとして、3階フロアすべてテナントスペースでその一角に店舗を構えており、近隣には企業のビルと一定エリアに固まって飲食店が並んでいる環境です。
リンパケアサロンD様のターゲット設定とプロモーション戦略
メインターゲットは、長時間のデスクワークや長時間同じ姿勢反復姿勢で過ごす仕事をしているビジネスウーマンで、以下は公開を控えます。
メインで行っているプロモーション戦略は、美容系ポータルサイトへの掲載とブログによるコンテンツマーケティング、Googleビジネスプロフィールの3か所から見込み客への認知拡大と新規客を獲得しています。
また、複数の企業と契約し、企業側の福利厚生のサービスの1つとしてリンパケアを提供しています。
リンパケアサロンD様のモニター施策の目的
リンパケアサロンD様のモニター施策の目的の一部は以下です。
- 定期的に自社のサロンへ通い続けることでの声(一定期間通い続けることでの体の変化)の収集と分析して顧客インサイトを獲得する
- 非公開
リンパケアサロンD様のモニタールール(条件)
リンパケアサロンD様のモニタールール(条件)は以下で、独自でモニター人選をしています。
- 可能な限り指定した一定のリズムで来店してサービスを受けること
- 事前に双方で決めたメニュー、施術時間を継続して受けること
- モニターへの報酬はない代わりに代金も頂かない
- お客様の声として顔出しOKな方のみ
リンパケアサロンD様のモニター施策の結果(公開許可範囲内)
定期的にリンパケアサロンに通うこと得られるメリット、時折感じるデメリットを多数えることに繋がりました。
モニターとして協力体制にあるため、通常の顧客よりも更に深堀して会話することができる、アンケートやヒアリングを通じてデータを獲得することができました。
その他の既存の顧客データと合わせ、分析し、これまでに分かりにくかった顧客インサイトを発見する機会にも繋がっています。
サロンで掲げる目的に応じてモニター募集し、データを収集
2社のクライアント様の事例のように、モニターを通じて直接的な集客、売上には繋げておらず、間接的に貢献するための施策としてます。
サロンの目的によっては、モニターの下に紹介を求めて新規客を集客しようと考える方もいるかと思いますが、個人的には、モニター施策でなくてもと考えます。
また、定着している顧客の中でも顧客ランクが高く、信頼関係が厚い方に、ヒアリングやアンケートを実施で補えそうですが・・・